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オトトイからのお知らせと運営と管理ヒップ・ホップ・ジャンキーからすれば、この色鮮やかなデビュー・アルバム『IN MY SHOES』を聴いて、自分たちが聞いてきたヒップ・ホップと質が違うという印象を持つだろう。なぜなら本作には自分を誇示すような曲が無い。ヒップ・ホップのデビュー・アルバムでは、シーンに名乗りを上げる曲を入れる事は、慣習とも言える行為だ。だが、メッセージ性の強いリリックがアルバム全編を渡って繰り広げられるものの、そのラップには自分をアピールするようなところが無い。それなのに、この一枚を通して聞けば、SALUがどんなスタイルと人生観を持っているか十二分に伝わってくるだろう。それは、彼の今まで生きてきた23年間がアルバムの制作期間だったとも言えるほどのものだ。彼の見方や日常描写の仕方は狭いヒップ・ホップ・コミュニティに留まらず、そこを飛び越えた先に向けられている。身の回りの何気ない日々をトピックにしつつ、その延長で自分たちのことだけではない普遍的なテーマに切り込んでいるのだ。
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