a person powered by ototoy blog

霧の万年床〜楠 均のBGM日記

RSS

カレンダー

2005/11
27282930   
2005/12
    23
45678910
111214151617
18192021222324
25262728293031

月別アーカイヴ

カテゴリー

    Blogを公開している友人

    公開所属グループ

      2005年12月

      2005年 12月 13日

      日記らしく。 

      12月3日は青山円形劇場で、高泉淳子さんが

      中心となった芝居と歌のショー「アラカルト」を

      見た。

      ローリー寺西さんのライブでご一緒した

      バイオリンの中西俊博さんがこのショーの音楽監督を

      しているということもあり、お招ばれした。

      水も漏らさぬ完璧なショーだった。

      芝居の世界の人はおそろしい。

      まずその肉体、技の究め方がおそろしい。

      その肉体と技があって初めて、練りに練った

      脚本・構成・演出が最大の効果で実現する。

      そのために役者はもとよりすべてのスタッフが

      できるかぎりの準備をする。

      爪の垢ほどもおろそかにしない。

      そして動員のための努力も最大限する。

      そしてそれが当然のこととなっている。

      自己顕示欲の固まりでなまけもので、

      おおかた内弁慶でチームプレーの苦手なガキどもが

      デカくなったに過ぎないミュージシャン(もちろん

      例外も多い)の側から見ると、まさに別世界である。

      爪の垢にあやかりたい。(しかし無理だ!)

      翌日は駒場東大のアゴラ劇場で、

      青年団の「砂と兵隊」を見た。

      砂しかない灼熱の砂漠(砂漠なのだから砂しかない

      のは当然か)を行進し続ける兵隊と、新婚旅行の

      カップルと、母親捜しの一家と、日傘をさした

      謎の女一名。

      とんちんかんな会話に大笑いしながらやがて灼熱に

      頭をやられ、ここがどこだか今がいつだか誰が誰だか

      わからなくなる。

      堂々巡りの行進は始まりも終わりも欠いたひとつの

      円環の上で現実味を失っていく。

      暑さのせいで滲み出していた汗が、いつか不安と後悔

      のための特殊な粘性のある汗に転化していく。

      そしてやがて背骨のあたりが寒くなる。

      子供の頃に繰り返し見た悪夢を思い出す。

      僕が青年団を知るきっかけになったのは、

      青年団の役者でもあるひらたよーこさんの

      音楽ユニット「あなんじゅぱす」に参加したこと。

      よーこさんの音楽は天衣無縫を地でいく

      無敵なものである。

      そのピアノとのどから音楽が滾々と湧き出で、

      正岡子規や中也や谷川俊太郎といった人たちの詩が

      まったく新しい乗り物に乗って縦横駆け巡る趣き。

      来春は平田オリザさん演出で「んぐまーま」という

      演目が予定されている。

      今から楽しみ。

      | Posted By XNOX クスノキス 投稿日: 2005年12月13日 12時9分 更新日: 2005年12月13日 12時16分

      コメント

      完璧であることももちろん素晴らしいですが、
      未完成であり続けることもまた大切なのではないかと思います。
      人間というものは気を抜くとすぐに成熟してしまいますが、
      この気の抜けた成熟というものはなかなかにやっかいな
      ものであると、近頃とみに痛感しております。
      by やっき - 2005年12月15日 2時33分
      やっきさんへ
      その通りだと思います。
      何が完璧なのか?
      いかにして完璧の手前で踏みとどまるか?
      考察に値する問題ですよね。

      leteでのライブの見事な要約を読んで、
      なるほどそうだったのかと納得したり、
      へえーと驚いたりしました。
      (自分でやったのに)
      by XNOX クスノキス - 2005年12月15日 16時29分
      おーじがザバクジ+α(正式名がおもいだせない)の
      会場でタムタムメインの楠PLAYを堪能したあと
      オイラの黙っちゃう歌の話し聴いたって言ってました

      なんなんだろう。って書いてて、いまわかった(笑)
      サイレントソングのことか。

      もー、彼もオイラに負けず劣らず難解な例えを使うなぁ

      もう今年12回目の月末なんですねぇ。しみじみ..。
      by いまみち - 2005年12月22日 10時46分
      うわー、「ア・ラ・カルト」ご覧になったんですね!いいなぁ。

      毎年夫と2人で観るんですが、
      今年はどうしてもチケットが入手できなかったので、
      大阪まで観に行くことになりました。とほほほ。

      サイレント・ソングのお話、とても懐かしかったです。
      by ながとも。 - 2005年12月23日 1時19分
      name:
      comment:
      【コメントに関する注意事項】
      記事と全く関連性のないコメント(例:宣伝目的のコメントスパムなど)は、オーナーの判断により削除される場合があります。 - レコミュニ会員としてコメントする

      トラックバック

      2005年 12月 13日

      人は見た目が9割? 

      人は見た目が9割?というタイトルの本が

      売れているらしい。

      なんとかという博士のなんとかという理論が

      あるらしい。

      話す人の容姿、態度、所作、声,話し方が

      その人の印象の9割型を占め、話の内容や質は

      ほとんど影響しないという理論だ。

      書評子が、小泉首相を見ているとこの理論は

      正しいといわざるを得ないと思わざるを得ない

      と書いていた。

      ツリー(ニーノトリンカのメンバーでもある

      シンガーソングライター角森君)のホームページを

      読んでいたら、ディランのことが書いてあって

      有名なブロンド・オン・ブロンドのジャケ写が

      使われていた。

      僕は最近になってディランの音楽がすごく

      好きになった。

      改めて CD のジャケットを眺めていてムラムラと

      感じたことは、「なんてかっこいいんだろう」。

      普通中学生や高校生が思うことである。

      オクテである。

      それはさておき、あのルックスのよさ

      (スタイリッシュさ加減)が今日のディランの

      声望、評価の巨大な下半身を支えていることは

      間違いないと思う。

      この年になれば、あの歌の数々を綾小路きみまろの

      顔をしたディランが歌っていたところでなんとも

      思わないが。

      ところで、ツリーのホームページ

          http://tsunomori.seesaa.net/

      は彼の全力投球の日常がこれでもかといわんばかりの

      気迫で綴られており、爆笑爆涙の傑作ロックンロール

      エッセイです。

      | Posted By XNOX クスノキス 投稿日: 2005年12月13日 11時13分 更新日: 2005年12月13日 11時13分

      コメント

      name:
      comment:
      【コメントに関する注意事項】
      記事と全く関連性のないコメント(例:宣伝目的のコメントスパムなど)は、オーナーの判断により削除される場合があります。 - レコミュニ会員としてコメントする

      トラックバック

      2005年 12月 01日

      昨夜 lete にて 

      昨夜は lete で XNOXのワンマンライブを

      いたしました。

      相当に情け無い部分と情け深い部分が同居して、

      その分離感が僕の心身の分離をも誘発して、

      しまいには訳が分からなくなりました。

      今までの無邪気すぎた人生の報いでしょうか。

      恥多き、そして考えさせられることの多い、

      その意味では実に意義深い(深すぎる)

      ライブでした。

      貴重な時間を割いて来ていただいた方々には

      心から、どころではなく髪の毛先から、

      そして足の小指の爪の先からもじくじくと滲み出す

      感謝の気持ちをお伝えしたいです。

      ほんとうにありがとうございました。

      lete の小さな空間いっぱいに鳴り響いた万雷の拍手、

      そのあまりにもすばらしい響きを僕は当分(一生?)

      忘れられないでしょう。

      温かい励ましの声援と、「次はちゃんとやらんと

      シバイたるで」、という地獄の闇将軍のドスのきいた

      一喝が一緒くたになって聞こえていました。

      くわばら、くわばら。

      精進、精進。

      謝、謝。

      (写真は、恥でいっぱいで当面人前に出られなく

       なった主人になり代わりまして犬のタムが

       挨拶をしている様子です。)

      | Posted By XNOX クスノキス 投稿日: 2005年12月1日 10時5分 更新日: 2005年12月1日 10時21分

      コメント

      ライブお疲れさまでした。
      恥いっぱいですって?とんでもない!素敵な音楽でした。
      途中退席ごめんなさい。楽しくって、あっと言う間に
      時間が過ぎていくのが惜しかったです。

      楽器や機械に囲まれたステージ。宇宙船のコクピットみたいでも。
      なんだか楠さんのお部屋にみんなで遊びにいったような感覚。

      あんなライブは楠さんじゃなければ出来ないなぁ、と。
      コレは賞賛の言葉です。不思議な魅力。
      またソロライブしてください!
      by chiyo - 2005年12月1日 16時42分
      独りきりのパフォーマンスだったのですか?
      おつかれさま。

      日記の行間を読むことができず、読むなといっているのか
      察してくれといっているのか、不満足な思いをしているのか
      、内心にこにこなのかわからぬまま
      なんか微妙なコメント書いてます

      ごめんなさい
      by いまみち - 2005年12月1日 17時14分
      この犬の名前、タムっていうのかー。
      フロアタム、タムタム。

      こちらは、ただただ無責任に楽しませていただきました。
      とても楽しかったです。

      是非、また呼んでくださいね。
      by ながとも。 - 2005年12月1日 20時46分
      計算しつくされたような絶妙のタイミングで
      起こるハプニングには、楠さんには申し訳ないのですが、
      大笑いさせていただきました。
      その上、素敵なサウンドと歌声をたっぷり楽しめたのですから
      言うことはありません。

      キオトさんのギターを聴いていたら
      カナリヤノイルカフェが無性に聴きたくなりました。
      音源が残っていないのが残念です。
      by やっき - 2005年12月2日 0時47分
      アンコールの拍手の音はよしはしでのアンコールの時をちょっと思い出したかも。
      あのときも綺麗に響いていて楠さんがちょっとびっくりされた風にキョロキョロされていたのが印象に残っています。

      とても幸せな夜でした。
      しばらくはふにゃふにゃで使い物にならん自分です。

      次は20日ですね、2曲なのかな?何を演奏されるのかとても楽しみですー。
      「パレケ サ ソレイニャ」が聴いてみたいです!
      by いけ - 2005年12月3日 1時39分
      聴きに行けなくて残念でしたが、ひらたよーこさんが感想をメールしてくれました。 ワタシだけで独り占めするのはもったいないメールだったのでブログで紹介させていただきました。 お初トラバも送らせていただきました。 20日はよろしくね!!
      by koko - 2005年12月4日 16時17分
      name:
      comment:
      【コメントに関する注意事項】
      記事と全く関連性のないコメント(例:宣伝目的のコメントスパムなど)は、オーナーの判断により削除される場合があります。 - レコミュニ会員としてコメントする

      トラックバック