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霧の万年床〜楠 均のBGM日記2007/7 | ||||||
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雨中散歩。公園に人影なし。緑が分厚く茂って別な星のようだ。ぐるぐる回っていると、際立った色の動物がふっと闖入してくる。黄色い雨合羽の小学一年生が、真っ赤な長靴をはいて草原を横断するのだ。歩幅が大きく、迷いが見られない。大きな水溜まりのふちまでやって来ると一瞬立ち止まる。進水。そしてじゃぶじゃぶ漕ぎ出す。波を起こし、真ん中の深いところまでいく。それから向こう岸までていねいに泥水を追い込んで行く。向こう岸に達するとまた最初から。それを視野に入れながらぐるぐる回る。彼女の行為が圧倒的に正しいと感じられてならず、駆け寄って頬ずりしてこう言う。「すばらしかったよ。歩き方、歩幅。じゃぶじゃぶの大胆さ。でもとても慎重な速度だったね。速すぎると何もかもがダメになってしまうからね!」と夢想してたら、母親らしき大型動物が保育園児らしき小動物の手を引いてやってくるのが見えた。危うく変な誤解を受けるところだった。
先日の「つつぬけ」とは大人のじゃぶじゃぶのことだったかいな、と思った。
箱de録の日。
ジャムセッション。いろんな人がいて刺激的。楽しかった。何らかの形になって普通に聴けるはずです。どうか世界中のみなさんお楽しみにね。
僕はほとんどステージ上にいたのです。客席から見た唯一の演し物が「つつぬけ」による尺八の合同即興演奏でしたのです。快楽に対して恭順である恭雄さんと、気負わないキオトさんのお2人とは、もう長い付き合いになりまするが、2人がこのユニットを通じて修練してきたことはいかに素直にいかに深く楽しむかだったのかと思い知らされ、とても感動しました。手練も手管も企みも安易に自意識に結びついてそれが音を瞬時に殺しますが、かといってダラダラと自然体でいればいいというのでもなく。こわばってはいけない。だけど慎重でなくてもいけない。ややこしい塩梅をお2人はヤモリのようにするするとすり抜けて、いやそれは音楽家のというよりは野生の仕事を見るようでありました。若い頃同じようなことをやると必ずもっと攻撃的に、そして何からしく見えることに脳が使われて、そんなものはあっというまに鴉についばまれておったものですわ。祝!
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