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霧の万年床〜楠 均のBGM日記2007/1 | ||||||
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1月は映画月。TVに飽きた、小さい画面にも飽きた、ということもあるが、家族が二人とも1月生まれで誕生月は僕も含めて1000円ぽっきりなのだ。「鉄コン筋」も見たし、今夜は「ブロックパーティー」だ!どんな映画かしらないけど。デイブ・シャペルという漫談家がブロンクスの街中で野外ライブを企画し、ミュージシャンを集め自らラウドスピーカーを手に街角や故郷で街宣する。蝶のように舞い、蜂のように刺すのにアリとはこれ如何に。シャペル君はボクシングはしないけど、しなやかな頭脳の持ち主で老若黒白の別なく友好的で本業のばかばかしいお笑いもよどみなくスピードがある。ファンになる。ヒップホップの生演奏ちゅうのはカッコいい。バンドがいい。ラッパーは誰が出てきても区別がつかない。でもステージを降りるとそれぞれキャラがいい。エリカ・バドゥとローリン・ヒルはもっと聞きたかった。ハイチ出身のワイクリフというおっさんが、ブラスバンド部の学生を前にオルガン弾きながら歌うカリプソっぽい聖歌(?)、
「金曜に大統領になり、土曜に暗殺され、日曜に埋葬され、月曜にはいつもの仕事にもどる」という歌詞で、これがすごくいい。(シャペル君もこの人も有名人だったりして。知ってる人が読んだらアホと思うかな。)
隣りに座ったBboy風のお兄ちゃんの全身から煮詰まったタバコの臭いが沸き立つように臭っておって、頭が痛くなりかけたがそのうち慣れた。翌日の夕刊にくさや作りの名人の談話。「どんなきつい臭いも4、5時間(4、5日だったか4、5年だったか思い出せないけど)経てばまったく気にならない。人間の感覚なんてそんなもんですよ(笑)」とあった。(笑)。
近所でスパゲティ。小さな店でおじさん(といっても多分僕より若い)が一人で切り盛りしている。無愛想だがいい仕事をすると尊敬しかかっていたのだが、この日はだめ。(気のせいか少し愛想が良かった。)毎日のことでプロって大変だ。
近所の映画館で「敬愛するベートーベン」を観る。なぜだか息子が見たいというので。「アマデウス」のモーツアルトはおならしたり馬鹿笑いしたり転げ回ったり、とてもまともとは言えなかったが、ベートーベンも誰彼なくかみつくし、うら若き女性の前で裸で行水し最後に尻まで見せて大笑い。負けていない。第九はあのメロしか知らない。夕焼け小焼けも改めて歌ってみるとすごくいい曲だけど、あのメロも改めて聞くとおどろく。和声なしに静かに入ってくるとこなんか息が詰まる程だ。そこがあんまりいいのでそのあとどんな大騒ぎがあっても別に気にならない。
藤原真理バッハ無伴奏全曲演奏会。おお。
その同じ建物内の小部屋でフォークギターをかき鳴らす。
ピックで弦を揺さぶっているうちに気持ちよくなってきて、ストラップをして立ち上がって、壁際のカーテンを引いたら鏡が現れたのでいよいよ気持ちが昂ぶってきて気がついたら3時間経っていた。XNOXのために予約したのに何の練習にもならなかった。でも、ギターを肩からぶら下げてかき鳴らすと腹を中心に全身が振動するということを初めて知った。なるほどねー。ディランもバーンも拓郎も剛もテツ&トモもタローもヨシコもこの快感を味わっていたのか。いや、なんだか得をした気分。
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