a person powered by ototoy blog

MAL Antenna - recommuni version

RSS

カレンダー

2004/12
2627293031 
2005/1
      
2458
1011131415
16171819
23242728
3031     
2005/2
  12345

月別アーカイヴ

カテゴリー

Blogを公開している友人

公開所属グループ

2005年01月

2005年 01月 29日

Teardrops/原田真二&クライシス 

私自身は特に原田真二のファンという訳ではありません。ただ妹がファンでほとんどのレコードが家にあったので、なんとなく耳にはしていました。

そんな私でも、原田真二の曲の中で1曲は思い出深く、1曲は本当に好きなのです。思い出の曲はデビュー曲の「てぃーんず ぶるーす」、今でも大好きなのは「Teardrops」です。

1977年に「てぃーんず ぶるーす」でデビューした原田真二は新鮮でした。若い男性のピアノ弾き語りというのも珍しかったですし、ポップなメロディにも魅力を感じました。ただ、こちらも若い頃でしたので、甘いルックスとストレートにポジティブな彼の歌詞はなにやら気恥ずかしく、今ひとつしっくりしないところがあったのです。

その後、徐々にバンドがロックっぽさを増していっているらしいことは、妹が買ってくるレコードの音から、なんとなくは感じていました。しかし、はっとさせられたのは、深夜のTVで「Teardrops」のビデオクリップを見た時だったのです。

琴の音を思わせるシンセの東洋風旋律で幕を開けるこの曲。続くのは、明らかにニューウェーブ、テクノポップ通過後の音質なベースとドラムによるタイトなリズム。原田真二の歌も、軽くイコライジングされたような、微かにベールの掛かったような音質。音階を上下に跳ねるメロディで歌われる歌はちょっと催眠効果も感じられます。

曲タイトルは、歌詞のクライマックスにしか登場しないのもお見事。その後シングルを買って繰り返し聴いていますが、やっぱりこの曲はいいなあ。好きです。

というわけで、私が自分で所有している唯一の原田真二は「Teardrops」なのです。

Teardrops/原田真二&クライシス
Posted By MAL 投稿日: 2005年1月29日 0時2分 更新日: 2005年1月29日 0時2分

2005年 01月 26日

可愛いベイビー/渡辺ルリ子 

いろいろ説明が必要な録音です。

まずパッケージですが、おそらくは1963年(もしかしたら64年かも)に発売されたソノシートブックです。これはちょうどシングルレコードくらいのサイズの小冊子で、途中にポリ袋のページがあり、そこにソノシートが入っている、という形態の本です。ソノシートは4枚入っていて当時の定価が400円となっています。表紙を除いて16ページあります。

タイトルは「渚のデイト」。サブタイトルは「コニーフランシス−ヒットアルバム」です。

収録曲は、

・渚のデイト

・可愛いベイビー

・愛さずにはいられない

・バケーション

・ボーイ・ハント

・大人になりたい

・夢のデイト

・思い出の冬休み

となっています。

中はおおよそコニー・フランシスのピンナップと曲解説の他、「コニーの魅力」と題した漣 健児の2ページ記事、4ページものの「コニー・フランシス物語」などを掲載しています。

曲解説は1ページ1曲。そしてページの7割はコニー・フランシスのピンナップで、2割が曲解説。そしてピンナップ写真のすぐ横に1行だけ、「唄*渡辺ルリ子 演奏*フォノ・ジャーナル・オーケストラ」と書かれています。これ以外にはまったく演奏者に関する情報が書かれていません。

これはかなり極端な例ではないかと思います。大抵は、1冊の中の1ページくらいは実演奏者の紹介に費やしているソノシートブックが多いのですが・・・。このブックでは、曲によってバックの演奏が2バンド、歌手が5人登場します。

ここでの渡辺ルリ子という歌手の唄はなかなか悪くありません。

さて、それ以外に中に書かれた記事を一部ご紹介しましょう。

−−−−−−−−−−−−−−−−−

【コニー会に入ろう!!】

コニー・フランシスの日本ファン・クラブができました!!

あなたのご加入を待っています。

★会員の資格

・二才から八十才位までの男女でコニーの歌声が好きで好きでたまらない人。

(後略)

−−−−−−−−−−−−−−−−−

1960年代初頭における日本の音楽をとりまく状況の一部が垣間見られる、なかなか貴重な資料ですね。本当にほぼ全ての人をリスナーとして想定した、懐の大きい会員資格だと思いました。

ところで、このような古いレコードを私がなぜ持っていたりするかといいますと、友人のご両親から譲り受けたのです。古いレコードが物置から出てきたので、捨てる前にもし欲しいのがあったらどうぞ、って。哀しいことに、いくら家が狭くなるばかりの毎日を送っていても、こうした申し出には一切逆らえないという体質になってしまっている私は、結局ほぼ何も捨てることなくそれらを引き取らせてもらった、という次第です。

しかし、すでに私からすると、こうしたレコードの存在自体が、大らかなのかデタラメなのかよく分かりません。同じような形態で、最新ヒット曲集と題したものにはビートルズの曲も収められています。そちらは英語で歌ってはいますが、演奏も歌も日本人です。一緒にその頃の映画主題歌なども収められています。けれども写真だけは本物のビートルズだし、007を演じるショーン・コネリーだったりします。

こうした録音を残した演奏者や歌手も、おそらく当時としてはかなり冒険的人生を送っている一団だったのではないでしょうか? またこうしたアイテムの存在は、世界的に見ても、もしかしたら珍しいのではないかと想像します。

それでも海の向こうからやってくる音楽や、ポップスターや映画スターにあこがれた人々のパワーをひしひしと感じることは確かです。作り手も受け手も、きっと情熱を注いだのだろうか、と想像します。

最後に、再び中の記事を一部ご紹介して本日のレコメンドを終わります。当時コニーという歌手がどういうステータスとして捉えられていたのかが伺われます。

−−−−−−−−−−−−−−−−−

【コニーのレコード案内】

いま一番人気のある女性シンガーは?ときかれてまず名を挙げられるのがコニー・フランシス。

(中略)

ここでごく新しい六十三年四月のLP、愛さずにはいられない(SY五○八三、SL五○九七)を紹介しておこう。

(中略)

バラードものの美しさ、ロックものの歯切れのよさなど、コニーの魅力のかずかずがこの一枚に収められておりさすがロックの女王としての貫禄十分で、A面B面をたてつづけに全部きいても、あきないものをそなえているといえる。

−−−−−−−−−−−−−−−−−

可愛いベイビー/渡辺ルリ子
Posted By MAL 投稿日: 2005年1月26日 1時28分 更新日: 2005年1月26日 1時29分

2005年 01月 25日

Vive First/Karl Berger 

「ジャズ」という言葉から浮かぶイメージは人さまざまで、ある人に取っては「お酒を片手にタバコを吸ってる場所のイメージ」だったり、別の人にとっては「青空と海、そしてヨット!」だったりするかも知れません。

ご紹介するKarl Bergerの「We Are You」というアルバムは、言ってみれば「石畳の細い路地を、張り渡したロープを伝って夜中に滑車にぶら下がって滑って行く時」みたいなジャズです(笑)。抽象的すぎますね(笑)。

1971年に録音されたこのレコードのパーソネルは以下の通りです。

Karl Berger - vibes, piano, marinba

Allen Blairman - drums, percussions

Peter Kowald - bass

Ingrid Berger - vocals. percussion

ジャンルとしてはジャズのレコードです。いくらかフリーよりの演奏ですが、4ビートな部分が多いです。

ドラムスのAllen Blairmanは晩年のアルバート・アイラーと一緒に演奏していた人です。アイラーの突然な死は1970年のことでした。

ベースのPeter Kowaldは、フリージャズの世界では有名人で、非常に多くのミュージシャンとのコラボレーションを行っています。

アルバム冒頭の「Vive First」は、まずヴァイブの独奏から始まります。音色はきれいなのに、どこか影のある響きです。そこへドラムとベースがおもむろに参加して来ます。地の底から天空までをうねうねと掻き回すような迫力あるベース、そして速いパッセージを軽快に、しかし暗鬱な表情ではたき続けるドラムス、そしてヴァイブの3者がそれぞれに疾走していく演奏は鳥肌が立つほどの緊張感に満ちています。

Vive First/Karl Berger
Posted By MAL 投稿日: 2005年1月25日 1時46分 更新日: 2005年1月25日 1時46分

2005年 01月 22日

Blue Water/The Julian Laxton Band 

何かの拍子でコレクションに紛れ込んできて、未だに正体不明だわ、2度と売ってるのを見かけたことがないわというレコードが何枚かあります。これはその内の1枚です。

な〜んかカッコ良くしようとしているらしいのに妙に垢抜けず冴えないジャケットに怪しさを感じてレコードレーベルを見てみると、7分とか8分ある長い曲があります。A面B面ともに3曲ずつ。う〜ん、よく分からないけれど、もしかしたらプログレ風なのかも知れん、とでも思って購入に踏み切ったようです。

さぁ〜って、早速A面に針を落として見ると・・・

・・・おお、いきなり海鳥の鳴き声と波の音・・・これは・・・

と、いきなり入ってくるファンキーなドラムとベース。

ん? 妙にポップだな、と思う内に始まる、意表を突いたファルセットの男声ボーカル。

んんんん?、と思いながら2曲目とかに突入すると、いきなりソウルフルでファンキーな「ウッ! ハッ!」っという掛け声が!そしてボーカルは力を入れて「ジョ、ハネスバーグ! ジョ、ハネスバーグ!」と唸ってます。

・・・・そうです。これはプログレのバンドなんぞではなかったのです。

ジャケットとレーベルを隅々までチェックすると、これは南アフリカのレコードでした。録音はヨハネスバーグです。アルバムタイトルは「Celebration」というのですが、イタリアの著名なプログレバンドP.F.Mの名曲「Celebration」とは残念ながら何の関係もありませんでした。

その後友人とアルバム全体をいろいろ聴いてみて、どうやらこれはディスコのレコードなんじゃないか、という判断に落ち着きました。ただいわゆる欧米のディスコミュージックと較べると妙にソフトだし、ボーカルがへにゃへにゃだし、やっぱりよく分からん!、という結論に。

特にアルバム冒頭の「Blue Water」という曲は、ちょっとディスコと呼ぶには妙過ぎるんですよね。何でオープニングに鳥の声が?(笑) なぜこんな不思議な声の出し方でこんなへにゃへにゃなメロディを歌っているのか?(笑)

こういうレコードって探そうにもどこにあるもんやら全然分からないので、レコミュニとかで配信しない限りなかなか「ちょっとコレ、面白いから聴いてみて」って言えないんですよね。

Blue Water/The Julian Laxton Band
Posted By MAL 投稿日: 2005年1月22日 21時34分 更新日: 2005年1月23日 0時16分

2005年 01月 22日

A Modern Lesson/Aqsak Maboul 

ベルギーの、アヴァンギャルド系ニューウェーブバンド、Aqsak Maboulの2ndアルバムの一曲です。

アクサク・マブールは元々マーク・オランデルのソロプロジェクトでしたが、この2ndアルバムではRIO(Rock In Oposition:反対派ロック)関連のメンバーが多数参加しています。

録音メンバーは以下の通り。

Fred Frith

Catherine Jauniaux

Marc Hollander

Michel Berkmans

Frank Wuyts

Chris Cutler

Dennis Van Hecke

アルバム冒頭を飾る「A Modern Lesson」は、ぎくしゃくしたリズムとギターのカッティングに始まり、とてつもなく素っ頓狂なCatherine Jauniauxの素晴らしい歌へ続きます。その内怪しいストリングスと木管が参加し、ノイジーなパーカッションが飛び交いつつ曲の後半へ。

後半に入ると前半とは全然違ったリフが出てきます。ひょうきんでいながらもひねくれたリズムと木管・弦楽の響きとノイズが入り交じった、カッコいいのにすごくヘン、という世界へ。

プログレファンもニューウェーブファンもアヴァンギャルド好きも満足な、過激でいながらお茶目な曲です。

A Modern Lesson/Aqsak Maboul
Posted By MAL 投稿日: 2005年1月22日 13時8分 更新日: 2005年1月22日 13時8分

2005年 01月 21日

せわしいと内職 

今週くらいから3月頭くらいまで結構忙しくなりそうです。ひしひしと迫ってきています。

そんな中でも、というよりそんな状況だからなのか、ここしばらく自分のblogエントリや他のblogへのコメントや、レコミュニでのレコメンドなどを結構ちょこちょこ書いています。試験前になると読書したくなる症候群からは未だに脱却していないようです・・・。

特に昨日から始まった、francofrehleyさん(http://recommuni.jp/home/index.php?C=2442)のblog、Progressive Cafe(http://blog.goo.ne.jp/francofrehley)の「プログレ家系図制作PJ」が面白いのです。読者参加型ゲームとも言える内容。マニアックだけど(笑)。

1月はもうなんだかんだで100枚くらい音盤仕入れてるので、面白いのがあったらまたご紹介したいと思います。

Posted By MAL 投稿日: 2005年1月21日 23時14分 更新日: 2005年1月21日 23時14分

2005年 01月 21日

Octopus/Carnival Art 

元ピンク・フロイドのメンバー、シド・バレットのソロ時代の曲「オクトパス」をカバーしてます。この曲のカバーってそもそもいくつ存在するんでしょうか?

Carnival Artというグループについては何も知りません。

メンバーは、

Michael P. Tak - vocals, guitar

Ed - guitar, vocals

Keith Fallis - drums, vocals

Brian Bell - bass, vocals

の4名です。Beggars Banquet配下(?)のSITUATION TWOというレーベルから91年に発売されています。

例によって(笑)中古で100円投げ売りコーナーから拾い出してきたものです。多分「Octopus」って曲目をジャケットで見て、レーベルのクレジットを確認したら本当にSyd Barrettって書いてあったから買ったのではないかと想像しますが、詳細はもう覚えていません。で、これが結構期待に応えてくれた出来映えでした。

カーニヴァル・アートというバンド自体は、いかにもオルタナ系なギターサウンドのバンドです。でもパンクとかグランジとかほどぐしゃぐしゃはしていなくて、ちょっとハード目のギターポップという感じでしょうか。

オリジナルは狂った陽気さが横溢するポップでストレンジな名曲ですが、意外にオルタナ風演奏も合うんだなあとびっくり。

「オクトパス」は大好きな曲なので、他にも個性的なカバーバージョンがあれば是非聴いてみたいです。どなたかご存じの方がいらっしゃったら教えて下さい。

Octopus/Carnival Art
Posted By MAL 投稿日: 2005年1月21日 21時49分 更新日: 2005年1月21日 22時51分

2005年 01月 21日

Still Too Young To Remember (Live Version)/It Bites 

1986年にレコードデビューし、1990年までに3枚のアルバムを残して解散したイット・バイツは、プログレファンからは「ポップすぎる」と言われ、ハードロックファンからは「複雑すぎる」と言われ、今ひとつ人気が盛り上がらなかった。しかし彼らが残したクオリティの高い楽曲の評価は現在に至るまで上がるばかりである。

親しみやすく美しいメロディ、どこをどうひっくり返してもブリティッシュ・ロック以外の何物でもないサウンド、プログレファンも満足できるドラマティックでトリッキーな展開、そしてハードロックファンも血が騒ぐ力強さを兼ね備えた希有なバンドだった。

「Still Too Young To Remember」は3枚目のアルバム「Eat Me In St Louis 」に収録された曲で、アルバムの中でも1、2を争う出来の名曲だ。ここでは25cmピクチャーシングルのB面に収められたライブバージョンを取り上げてみた。

実は2003年になって、イット・バイツは再結成に向けて動き出しているとのニュースが入ってきている。しかし期待されたアルバムとツアーは結局2004年中には実現しなかった。今年こそ!、と願っているファンは多い。その願いを込めて、泣きたくなるほど美しくセンチメンタルでハードなこの曲をご紹介させていただいた。

*下記オフィシャルサイトでは、ビデオクリップ「Underneath your Pillow」とライブ音源1曲(本当は15分くらいある「Once Around The World」のさわり部分)がダウンロード出来ます。

Official Site

http://www.itbites.com/

日本公式サイト

http://www.itbites-jp.com/

Francis Dunnery 公式サイト

http://www.francisdunnery.com/

 It BitesおよびFrancisのソロCDとDVDを販売しています。

Still Too Young To Remember (Live Version)/It Bites
Posted By MAL 投稿日: 2005年1月21日 1時3分 更新日: 2005年1月21日 1時11分

2005年 01月 20日

Sugar Me/Lynsey De Paul 

その筋では有名な女性シンガー、リンジー・ディ・ポール、1972年のデビュー曲にしてヒット曲(イギリスで5位)、「シュガー・ミー」です。

美人系でコケティッシュなボイスが大抵の女性ボーカルファンをノックアウトしてしまうわけですが、本人が曲作りもしているあたりがただのアイドルとはちょっと違うようです。

シンプルで、1回聴いたら多分忘れられないくらい印象的なメロディとサウンド、イントロのバスドラム、続いて入ってくるピアノ、そしてちょっとウィスパーがかった歌が始まります。

単調と言えば単調に繰り返されるメロディとリズムが相まって、極めて中毒性に富んだ完成度の高いポップソングに仕上がっています。パーカッションの音色とバイオリンがとても印象的。

この人のベストアルバムなら必ず入っているポピュラーな曲ですが、もし未聴の方がいらっしゃったらぜひ一度聴いてみて下さい。音楽の魔法はいろいろな方法で生み出せるんだということを改めて感じさせる曲です。

下記、調べたら見つかった情報源です。

Lynsey de Paulについて

http://www.alexgitlin.com/ldp.htm

http://www.netigel.de/depaul.htm

作曲者のBarry Greenについて

http://www1.odn.ne.jp/~cam83420/01spice/barryblue/barry.htm

 なんとUriah Heep人脈と縁のある人でした!

*ジャケット写真はドイツ盤シングルのものです。レコード番号はオリジナルと同一ですが、ジャケット写真が少し違いますね。

Sugar Me/Lynsey De Paul
Posted By MAL 投稿日: 2005年1月20日 0時25分 更新日: 2005年1月20日 0時27分

2005年 01月 12日

Om Mani Padme Hum/Manadalaband 

マンダラバンドの成り立ちは結構珍しい。

1975年にファーストアルバム「マンダラバンド」(邦題:「曼陀羅組曲」)を発表したマンダラバンドは、デヴッド・ロールが作曲した「Om Mani Padme Hum」(曼陀羅組曲)という曲を演奏するために結成されたグループである。「Om Mani Padme Hum」はチベットの経文に出てくる言葉で、歌詞は1950年の中国によるチベット侵攻をテーマにしたものだそうで、チベット語で歌われているらしい。マンダラバンド自体はイギリスのグループである。

曼陀羅をあしらったジャケットが日本では受けたのか、このレコードは国内盤も出ていたし、FMでも割とよく掛かっていた。20分を超える曲にしては結構ポピュラーな存在で、中高生の間でも名前だけはよく知られていた(そういう友達が、少なくとも私の周辺には多かったのだ(笑))。

実際、レコードのA面を占める「Om Mani Padme Hum」の出来は素晴らしい。なんというか、澄み切った青空と白い雲の間を自分がグライダーになってひゅんひゅん飛び回っているかのような爽快感があるのだ。壮大で、勇壮で、高揚感と疾走感がある。冴えきった高音が美しいギターの旋律、男女混成のコーラス、そしてストリングス、伸びやかでありつつも厳かなトーンを含んだ男性メインボーカル、これらが一体となって4楽章構成になった20分のドラマを一気に聴かせてくれる。

いわゆるプログレと呼ばれるジャンルに分類されているが、その後生まれた、単に交響楽的なドラマティックさだけが取り柄の"シンフォニック・ロック"とは一線を画する傑作。普段プログレを聴かない方や、プログレって何?、という方にもお勧めしたい。

マンダラバンドはその後、1978年に2ndアルバム「The Eye Of Wendor」(邦題:「魔石ウェンダーの伝説」)を発表している。なんと10ccの4人、バークレー・ジェームス・ハーベストのメンバー、マディ・プライアなど物凄いゲストメンバーによる作品。続編が作られるはずだったが、遂にこの作品の続きは世に出ることがなかった。

Om Mani Padme Hum/Manadalaband
Posted By MAL 投稿日: 2005年1月12日 0時9分 更新日: 2005年1月12日 0時28分

2005年 01月 09日

コレクターシップ 

おそらく、レコミュニに参加しているような方だったら必ずや何か感じるところがあるだろうと思える本が出た。

おたくの本懐—「集める」ことの叡智と冒険

ちくま文庫 長山 靖生 (著)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480420479/

1992年に「コレクターシップ」という書名で出た本の文庫化で。改題され一部加筆されている。

読了後即座に思ったのは、内容から書名を考えてみれば、元々のタイトルである「コレクターシップ」が最適であるということだった。文庫化に当たりマーケティングの観点から改題されたのだと推測されるが、「おたくの本懐」では少々内容とのずれがあり、誤解されるのではないだろうか。

様々な分野のコレクターを紹介しながら、「ものを集めるとはどういうことか?」「コレクターとしてどうあるべきか?」という考察が進めていく。古書、美術品、博物標本などのコレクターが主に取り上げられているが、残念ながらレコードコレクターは登場しない。著者自身が古書コレクターであることも、対象分野が限られている理由だろうか。ただしどのジャンルにおいても、全ては「コレクションすることの意義」をアピールする内容へと繋がっていく。

直接の記述は書中にはないが、「集める」「自分なりに分類する」「セレクションを作る」という行動は、手持ちの音源でオリジナルテープを作る作業そのものだということに気づいた。またはレコミュニで「誰のどの曲をレコメンドするか?」と考えることも同じ活動だと言える。

狭い意味でのおたく擁護論だが、実際には本書の内容はもっとずっと普遍的である。どんなものであっても、何かしら捨てられずに集めているものがあったり、入手出来ずにいるものを探していたりする人ならきっと多くの示唆を得られる本だと思う。出たばかりの文庫なので、もし見かけたら是非ご一読をお勧めしたい。

Posted By MAL 投稿日: 2005年1月9日 0時42分 更新日: 2005年1月9日 0時42分

2005年 01月 07日

まだ50にならないなあ 

一日約1レコメンドを目標としているが、なかなか数が伸びない。今日数えてみると、自分で曲を登録して書いたレコメンドがやっと46になったくらいだった。10月22日から書き始めている訳だが、その間77日ある。割り算してみると0.5974025974025974025974025974026になるので(笑)、まあ大体一日0.6レコメンドという結果になっている。

ところでこの間に購入したレコードの数はおおそよだが1日あたり2枚弱になる(笑)。まあ1枚の収録曲平均を10曲としても1500曲くらいになるのだろうか・・・。このペースで行くと、どこまで行ってもレコメンドを書き終わらない・・・ように一見思えるが、実際には必ずしもそうはならないだろう。入手した音源の内、他人様に自信を持ってお勧めできるほど惚れ込むものは決して多くないからだ。

もちろん、相手が特定のアーティストやジャンルのファンである時は別。その場合は、「是非とも買って聴いてみよ」か「買っておいてもいいでしょう」か「安ければ買ってみれば」か「聴きたけりゃ、これやる」のどれかになる。ただ実際には私が一旦入手した音源を手放すことはかなりまれである。

聴いたその場での自分の評価をそれほど信じていないせいもある。また今までの経験から、聴く回数、聴く機会、知ってからの年月などで評価はかなり動くことが分かっているからでもある。入手して3年くらいしてから初めて気に入ることも多い。反対に、最初からすごく良いと感じたものでも、10回も聴いている内に飽きてしまったり、鼻につくようになってしまう曲もある。

他にも、正体を全然知らずにジャケット買いしたレコードなどは、5年10年経ってから正体が分かる時がある。50円とか100円で買ったアルバムやシングルが、10年経ってみたら実は今のお気に入りバンドの初期盤だったりしたこともあるし、再発CD情報を見て「あれ、これ持ってるなあ」と初めてどういうレコードだったのかが分かる時もある。

まあそういうさまざまがレコード集めていると楽しみな訳である。

しかし、音楽配信コミュニティなのに、パッケージ買う話ばっかりですねえ(笑)。

とにかく、手持ちのレコードが増えていっても、お勧めしたい曲が増えるペースはそれよりずっ〜と遅いから、まあ結局バランスは取れている、ということなのかなあ・・・(笑)。

Posted By MAL 投稿日: 2005年1月7日 0時27分 更新日: 2005年1月7日 0時27分

2005年 01月 06日

Summer On A Solitary Beach/Franco Battiato 

しばらく前から無性にこの曲が聴きたくなっていたのだが、レコードが発掘出来ないでいました。年末年始に若干片付けが進んだことで、ようやく引っ張り出せたのでした・・・。

フランコ・バッティアートの経歴等について何か言えるほどには私は彼についても、イタリアのポップスについても詳しくありません。バッティアートはレコードを数枚持っているだけです。70年代には現代アート・現代音楽を作っており、70年代末くらいからポップスレコードも出すようになったというアーティストです。

同じイタリアの女性歌手にアリーチェ(Alice)という人がいます。この人も結構日本ではユーロロックファンに人気がありますが、彼女は85年にバッティアート作品だけを取り上げたアルバムを出しています。「Summer On A Solitary Beach」もそこでカバーされています。今回レコメンドを書くに当たって両者を聞き比べてみたのですが、やはり決定的に違うのは歌の質感です。バッティアートの歌の方がソフトなのですね。

曲自体はまあエレクトロポップと言えなくもないサウンドです。タイトルは英語ですが歌詞はイタリア語。聞こえてくる波の音、そしてベースとシンセドラムが軽快にうねるようなリズムをステディに刻むのに被さってふわぁっとしたキーボードの音が鳴り響きます。シンセの質感は、ドイツのアシュ・ラをちょっと思い出させます。そしてふわりと軽いのに哀愁に満ちた歌が始まるのです。

シンプルで美しく、軽快に哀しげなこの曲、イタリアのポップスなんて聴いたことが無いという方でもきっと楽しめると思いますよ。

Franco Battiato Official Site

http://www.battiato.it/

フランコ・バッティアートのレコードリスト

http://www6.plala.or.jp/rim-mei/mls05.htm

Summer On A Solitary Beach/Franco Battiato amazonで購入
Posted By MAL 投稿日: 2005年1月6日 23時23分 更新日: 2005年1月6日 23時39分

2005年 01月 03日

Always Look On The Bright Side Of Life.../Monty Python 

年が明けて正月もようやく3日になってからやっと大掃除に手が着き始めたという状況ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?(笑) 2005年最初のレコメンドは、年頭の抱負を込めつつ、モンティ・パイソンのこの曲からいってみたいと思います。

モンティ・パイソンとは、60年代末から80年代に掛けて、イギリスBBC放送を皮切りに過激なコメディ番組や映画を作っていたチームです。パイソン自体について説明を始めると、書籍数冊を要する騒ぎになってしまうので、例えば以下のようなまとめをご覧下さい。

ファンサイト:Python Airways

http://python-airways.cside.com/

UTOさんによるまとめサイト。資料関連も充実。

http://www002.upp.so-net.ne.jp/uto-pia/python/python01.html

「Always Look On The Bright Side Of Life...」は79年の映画「ライフ・オブ・ブライアン」の中で歌われた曲で、パイソンの曲中でもトップクラスの名曲であります。

映画についてはこちらなどをご参照下さい。

ファンサイト:Python Airwaysの「ライフ・オブ・ブライアン」ページ

http://python-airways.cside.com/work/brian.htm

まだ映画を見たことがなくてこれから見てみようという方もおられるでしょうから詳しい紹介はしませんが、み〜んなで磔になりながら「人生の明るい方に目を向けようよ!」と口笛を吹きながら歌われるのがこの曲です(笑)。89年にメンバーのグレアム・チャップマンが無くなった時、参列者が皆でこの曲を歌ったとか。

レコード輸入権問題は言うに及ばず、イラク、北朝鮮、年金、増税、狂牛病と、果たして来年の新年を無事迎えることが出来るのが、ついつい不安になってしまいます。そんな年頭だからこそ、まずは口笛を吹いて、どんなことがあっても笑い飛ばして過ごしていきたいなあ、とそんな願いを込めて。

Always Look On The Bright Side Of Life.../Monty Python amazonで購入
Posted By MAL 投稿日: 2005年1月3日 23時11分 更新日: 2005年1月3日 23時12分

2005年 01月 01日

年が明けて 

年末までいろいろ続いた年でした。自然災害のオンパレード以外にも、人災である戦争やら政治経済やらも悲惨な出来事がやたらにありました。年が変わったからと言って何かがすぐに変わるわけではないのですが、「変えよう」という気概を新たにすることは出来ますね。そういう意味ではやはりきっかけです。

著作権法改正をめぐるごたごたは事件でしたが、事件が起こったが故に新しく知り合うことが出来た方も多かった。やはり人生、悪いことだけがおこることはまずないように出来ているらしいです。

あ、で結局まだ我が家の大掃除は始まっていません(笑)。

Posted By MAL 投稿日: 2005年1月1日 0時40分 更新日: 2005年1月1日 0時40分