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霧の万年床〜楠 均のBGM日記

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      2005年06月28日

      スタン・ゲッツと小さな町のレストラン 

      レコロケのライブに関していろいろコメントを

      くださった方々にありがとうと言いたいです。

      一人一人に返信したいところですが、今日のところは

      勘弁してください。

      こういう電脳空間(圧倒的に古い響きですが、圧倒的に

      遅れている僕にとっては丁度いいです、このくらいが)

      でのやり取りですよね、書いたら即返ってくるしかも

      愛あるお言葉が、というのは実に新鮮です。

      しかし一方で、皆さんいったい、日に何度見て何時間

      くらい電脳にさいているのだろう、と思うと途方に暮れます。

      僕もなんとか失礼のないように努力いたします。

      さて、暑さのあまり、しなければいけないことを傍において、

      まったく突発的にスタン・ゲッツのレコードをクリーニング

      しました。

      専用の液体と専用の布を使って。

      僕はジャズに詳しい方ではありませんが、というか特に

      何かに詳しい方ではありませんが(ついでに言えば

      レコードコレクターでもありませんし、レコードクリーニング

      を趣味にしているわけでもありませんが)なぜか夏というと、

      (しかもこのように非常識に暑い時とか、うだるように

      暑い夏が盛りを迎え盛りを過ぎて熟れきって腐臭を

      放ちだすような時とか)スタン・ゲッツを思い出して

      聴きたくなります。

      本屋に入ると大便を催す人がいるらしいのですが、

      それに近いかもしれません。

      で、1年前に単なる衝動で買った専用の液と布で

      拭ってみたのです、レコードを。

      するとレコードがいい光沢を放ちだすので、何か意味のある

      ことをやっているような気がしてきて、数少ない

      ジャズのレコードを引っ張りだしてきて次から次に

      クリーニングしていましたら、5枚程仕上げたところで

      頭くらくら、額に首筋に大粒の汗が発生して、

      その中の一つが磨いたばかりの黒光りするビニール盤の上に

      ポトリと落ちました。

      クールなのに滋味のあるスタン・ゲッツの音色によって、

      一服の涼と今日1日の務めを果たすだけのエネルギーを

      いただけはずがどうでしょう、このざまは。

      やっていることが意味があるかどうかは常に自分の身体に

      聞いてみなくてはいけませんね。

      そんな訳で今日1日は終わったも同然。

      ついでですが、ジョアン・ジルベルトと一緒にやっている

      スタン・ゲッツは、生きている間にもう二度と聴かなく

      ても特に惜しくはない、というのが僕の基本的な態度です。

      二人とも好きですが、二人一緒のところを聴きたいとは

      思いません。

      そういうことって、結構あります。

      こないだ北海道に里帰りしたら、母が好意で町に一つしか

      ないレストランに連れてってくれたのですが、そこの

      フルコースが本当に文字通りのフルコース、というか

      完全に言葉の意味を誤解しつくしたものでした。

      まず前菜に握り寿司と茶碗蒸しとシュウマイが同時に

      出され、次におどろく程の量のグラタンが。

      そして、中略しますが、メインにはステーキとやや遅れて

      エビチリがこれまた目を疑うといっても差し支えない程

      ふんだんに供されました。

      年老いた両親と僕の家族は言葉少なに時間をやり過ごし、

      食べきれなかったごちそうを折り詰めにしてもらって

      その場を後にしまた。外はすばらしい夕焼けでした。

      こうして書いてみると、なかなかいい思いでのような

      気がしてきました。

      | Posted By XNOX クスノキス 投稿日: 2005年6月28日 16時51分 更新日: 2005年6月29日 9時21分

      コメント

      こんにちは。
      なんだかライブのMCを目で聴いているようです。
      電脳空間は日常が忙しくなければ入り浸りになってしまうので私は注意が必要です。むぅ。
      ジョアン・ジルベルトは行こう、行こうと思っているのになかなか行かないですね。
      日曜の原さんは男っぽかったです。
      年内にもまたあるかもとのことで、今からとても楽しみにしています。
      (夏の弾き語りがさかなくじらくすのきすの前日だと知りがーんとしています....)
      by いけ - 2005年6月30日 1時13分
      最近20歳の男の子から村上春樹の「カンガルー日和」
      という短編集をもらったんですが、その中に
      「1963/1982イパネマの娘」というお話がありました。
      あの暑い昼間に読むのには、ちょうど良かったです。 
      楠さんの日記を読んで、またシンクロ?って思いました。 
      あ、聞かなくてもいいっていうお話でしたね、ちょっと違いますね。

      本の方のお話によると
      「スタン・ゲッツのヴェルベットのごときテナー・サクソフォンの上では、
      彼女はいつも十八で、クールでやさしいイパネマ娘」だそうですが、
      音楽聞いててそういう感覚になることはよくあります。

      スタン・ゲッツ→すばらしい夕焼け
      こちらの展開の方がずっと魅力的です。
      誤解しつくされたフルコースで「中略」された品も知りたいです。 
      by チル・キャット - 2005年6月30日 1時56分
      いけさんへ
      やはりそうですよね。
      電脳は煩悩ですね。

      チル・キャットさんへ
      スタンさんとアストラッドさんの組み合わせは
      悪くないですよね。
      なんでかな。
      男と女ってことかな。(っていうのは安易だけど
      楽しいステレオタイプな連想ですよね。)

      村上春樹の短編のことは忘れていました。
      この短編集は20年以上前に、好きで2回は読んでいるはず
      なのですが・・・。

      フルコースの中略の中身は妻も僕も思い出すことができません。
      実はその前日も当日の昼食も「ごちそう」で
      ごちそうに辟易していた僕たちは、またしてもの「ごちそう」に
      ショックのあまりホワイトアウト同然になっていたのでしょう。
      by XNOX クスノキス - 2005年6月30日 9時0分
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