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霧の万年床〜楠 均のBGM日記

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      記事リスト 6ページ目

      4月17日。

      朝から雨が降ってひどく寒い。足下に痒みが存在する。見れば小さいしもやけができている。春だというのに。犬が連れ出してくれとせがむが散歩どころじゃないとたしなめる。

      Posted By XNOX クスノキス | 投稿日: 2007年4月23日 9時58分 | 更新日: 2007年4月23日 9時58分
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      4月16日。

      武道館にベッ君のライブ見に行く。武道館も相当くたびれた。中の壁塗り直した方がいい。椅子もひどい、とSに言うと神宮球場のよりいいと言う。ベッ君はふざけた青年でしかも間が抜けた犬面がかわいい。というので下柳氏、いしいしんじ氏に次ぐアイドル(我が家では)。人間バンドの後ろに操り人形バンドがいて、人形バンドが人間バンドそっくりに演奏する様子がスクリーンにずーっと映ってる。ふざけている。(が、黒子の人形使いたちはふざけるどころではなく働き詰めだ。)バンドでがーっと演奏した後、ベッ君トラベルギター1本で弾き語る。他のメンバーはフォーク片手にテーブルにつく。食事をするのかと思いきや、食器を叩き声張り上げる。(その間も人形は人間と同じことしてる。) その形態でヒップホップ調とカントリー調を往き来する。歌が消えトラベルギターのがさつな低音とお皿叩いてちゃんちきビートだけでビシと決めたラストは大変かっこよかった。アンコール前に人形アニメ。ゴジラのテーマに乗って「ベックジラ」が東京を襲う。「この白人怪獣め」と銃火向けられ、最後に大きく空いた口に戦闘機が突入してきて「お母さーん」と叫んだところをメンバーに起こされる。「ベック起きろ、本番だよ」本物の人形たちがステージに向かうのをカメラはリアルタイムで追う。7秒後、ステージには人形と人間が同時に現れる。昔々万博でのこと。人のいない会場を求め、座りたい一心で飛び込んだチェコスロバキア館で見た「ラテルナ・マギカ」というショーを思い出した。その時の楽しさが甦った。でもアイドルなんだから1度くらい顔のアップを出すべきよね、と少し憤った婦女子たちが顔入りポスターを争奪、強奪。

      お堀沿いの桜はほぼ散っているが、雨中ぼんやり明るんでいるように見える。桜はどうしてこう艶かしくむぅーんと尾を引くのだろう。いつか好きになることがあるだろうか。人間の勝手か。

      Posted By XNOX クスノキス | 投稿日: 2007年4月21日 10時10分 | 更新日: 2007年4月21日 10時10分
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      4月15日。

      甥を誘って昼ご飯。入学祝いだ何でも好きなものをお食べでも値段はよく見るようにもう子供じゃないんだからね。3歳の時満貫全席を平らげたという逸話の持ち主なので警戒するにこしたことはない。大学生らしくリーズナブルに振舞ってくれて助かった。洗練された都会のマナーと良識ある社会人としての心得を指南する。甥は公園の池がボートで埋まっているのを見て驚く。素直な子だ。水死者が絶えないんだよ、それを食って鯉があんなにデカくなってると教えてあげる。甥は若ハゲになるかもしれないと心配する。繊細な子だ。大丈夫君ならそれも似合うとハゲます。上京してまだ日が浅いというのに僕がまだ見たこともないパスモを既に所有している。頼もしい青年だ。日本の将来は明るい。

      早い時間に「鶴の湯」に行く。番台のおばあちゃん(90歳)に日曜は中学生がただになると言われ、エエッと驚く。中学生のSに「父ちゃんもう3回目だよ、このやりとり」と言われ、エエッと更に大きな声で驚く。ああもう日本の将来は青年諸君に任せよう。老兵はただ湯につかるのみ。(しかし湯船には早くも先輩方が何人もいらっしゃって老を名乗るのは気が引ける)湯に仰向けになる。ここにはボートはいない。タイルに鯉が泳いでいる。天井を見る。広くて一面水色。高い窓から日が射している。湯気がゆっくり動いている。これが極楽か、と思う。

      Posted By XNOX クスノキス | 投稿日: 2007年4月21日 9時27分 | 更新日: 2007年4月21日 9時30分
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      4月14日その1。

      「おっかあ行ってくるよ。帰ったら熱燗きゅっとやらしちくんな。」まんじゅう担いで行商に出る。やけに重いので峠の坂道で荷を下ろすと、とことんとんスネアドラムに化けていた。ぎゃっ。わしの商売何じゃった?狸の仕業に違いない。早いとこ帰って一杯やろう。くわばらくわばら。

      昔々、木製のタンスにすあまその他の素朴な和菓子を詰めて大風呂敷に包んで売り歩く狸によく似たおじいさんがいた。狸じいが来ると母親とのやりとりをずっとそばで見ていた。肩に食い込む荷の重さにそのことを思い出した。がっしりした手、ゆったりした物腰。木のタンスはよく使い込まれ、中に敷いた布巾は清潔だった。あの狸じいの気品はどこからきたものだろう。小さな町のあちこちに狸じいの笑顔に似た気品ある気配が満ちていた。気品はたぶん余裕から生まれ、余裕はたぶんくよくよしないところに生まれた。野心を持たず生活に悩まない。当時の日本は比較的単純で安定した身分社会で、尚且つおおかたの職業は上昇一方の景気によってうまいこと行ってたのだろう。現金とまんじゅうの交換は交歓。状況がシンプルだと嬉しさが増すのだろうか。売買のシステムも笑顔の交換を伴って解き放たれるというか一瞬ふわっと浮き上がる。その時現金は木の葉に化ける。犬は喜び庭駆け回る。まんじゅうの化けの皮はがれて宇宙にあんこが飛び散る。チルチルミチルはパンを撒く。しかし昔々の楽しき我が家にたどり着けるものだろうか?

      Posted By XNOX クスノキス | 投稿日: 2007年4月20日 11時28分 | 更新日: 2007年4月20日 11時28分
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      4月13日。

      毎日部屋で伏す、それ以外の日は伏したまま自動車に乗るというのでは手足が萎える。やる気も失せる。覚悟を決めて駅まで歩く。駅まで歩かないと電車に乗れない。電車に乗ったら渋谷に着いた。パワーにひるみ回れ右して帰ろうとしたら猛烈な風に吹き飛ばされてジャズバー「オズの魔法使い」にいた。ジャズィーではない僕にオズの国の人はとても良くしてくれる。デビルレイズ岩村選手の気持ちになる。ありがとう。みんなの親切に応えてホームランを。おずおずと気張ってブラシを振ったら、ピカピカ新品のワイヤーが全部抜けて放射状に広がったところにカクテルライトが当たってまぶしく反射したのがすごくきれいだ。虹色の花火だ。おーばーざれんぼー。煤まみれジュディーとフレッドがタップしてる。おめでとう岩村!ワイヤーが頭髪に突き刺さってドロシーおどろしー。米人のC氏が心配するのでドロシーおかしー。でもドロシーかなしー。なぜといえば、オズの魔法によっていつもの安価なブラシが使えないのでとびきり高級なブラシで勝負していた。それにジャズィーな大リーガーはこんな失敗しない。ここはお前の来るとこではないとオズに告げられたようなものだ。2ステージ目は10時からで、もう掛け値なしにズブズブに眠くなる。ズブズブ。子供の来るとこではないと告げられたようなものだ。魔法が解けたら家の近くでアイスを食べていた。一人では持ち上がらないような巨大な鉢が道ばたにごろんと転がっていた。すごい嵐だった。

      Posted By XNOX クスノキス | 投稿日: 2007年4月19日 8時40分 | 更新日: 2007年4月19日 8時40分
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      4月12日。

      朝古新聞を読んでいて、フィリパ・ピアスと池田晶子さんが亡くなっていたことを知る。「トムは真夜中の庭で」のピアスさんが女性だったと知る。「トム・・・」は10年前に買って5ページ読んでつまずいて、それから5年後に再び読んだら今度は忘れられない本になった。池田さんの本は図書館で立ち読みしたら、僕が学生時代好んで読んでいた人をけちょんけちょんにけなしていて、なんてはっきりものを言う人なんだろうと怖ろしくなって、それ以来気になっていた。

      とあるスタジオでたまたま見せられた企画書にラモーのオペラの公演のことが書かれてあって、かつてラモーのいんちきなファンであった僕はとてもびっくりした。J-POPにラモーを持ってくるなんてどういう人だろうと思ったら、昔大変お世話になった人で2度びっくりした。今朝読んだ古新聞の中にその公演の評があって3度びっくりした。18世紀フランスの音楽をCGとダンスをまじえて上演したらしい。記事を読むかぎりとてつもなく楽しいステージだったようだ。やはり新しい情報に接していないとすべては祭のあと、なのか。

      Posted By XNOX クスノキス | 投稿日: 2007年4月17日 10時45分 | 更新日: 2007年4月17日 10時54分
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      4月11日。

      ハマのランドマークに投網をかけに行く。さて、がっぽりいただくとするか。ほれっ、と網放る。と、見れば網に穴。しもた。冗談ではない。ジャンベの皮に穴があいてティッシュをのせて叩くとふうわり浮いた姿がクラゲみたいに優雅、かどうか確かめる余裕もなく、誰かに目撃される前にとりあえずガムテープで穴隠して録音にのぞむ。音なかなか決まらず、エンジニア氏首かしげながらマイクいじったり替えたり。世間話をしてガムテープに彼の注意がいかぬようにする。努めて何喰わぬ顔して何喰わぬ腹。ハラへった。カレーうどん食べる。こぎれいな店にこぎれいなカップル。カレーうどん、君も随分出世したものだな。うまそうにビール飲む人、小生意気。小生も小生頼む。ひどく酔う。

      帰りがけに犬と散歩する人見る。こんなとこで、と思う。ランドマークが故郷だっていいじゃないか。海もあればビルもある。ラーメン博物館に美術館。そういえば去年見た「にほんガテン!」はおもしろかった。全部面白かったけどしりあがり寿が即興で描いたバカデカイ漫画は圧巻で、漫画の起源と現在的パワーを全身で味わう。それから藤井雷という人。 旅先からの絵手紙をひたすら横に連ね、会期中どんどん増えて行く。線の時間が蛇のようにうねっておった。この二人の作品が断然凝ってないというか、お金と時間がかかってないというか、執念が希薄というか、手軽というか手抜きというか。バケツが転んで中身がバシャーッとぶちまけられてアチャーッていうのと、浮かんでは消えていく運命にある日々の大迷案がズルズル引きずり出されて腸のように舞うアチョーッていうのと。

      Posted By XNOX クスノキス | 投稿日: 2007年4月17日 10時21分 | 更新日: 2007年4月17日 10時21分
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      4月10日。

      ようこそ八百屋塾へ。(そして)田植え名人になる。(でも)鬱かもしれない私たち。(思い切って)今年こそイギリスで働いてみませんか。(おまけに)神道がわかるQ&A。(ついでに)新しい刑務所運営。 

      新聞記事を読む元気がなく雑誌の特集タイトルを眺める。新聞詩というのがあるらしいけどA DAY IN THE LIFEは違うと思うけど。

      外に出ると、ご近所が3人集まって井戸もないのに井戸端会議。3人よればモンジュの知恵。4人目はぺ・ヨンジュン。ぺも会議に混ざる。外国に行ったような珍しい気分。ずっと前にBさんにもらった夏みかんとジャムのレシピのお礼を言ったりしていると居場所もできる。Aさんは通り沿いに鉢植えの植物を無償で配備している。自宅の一部を余命のない捨て犬のホスピスにしている。引き取り手のない犬たちを引き連れて散歩に出る姿はとてもインパクトがある。通り沿いの各所で催される井戸端会議には犯罪抑止の効果が期待できるとの議長発言。説得力がある。その後近所の小学校のそばを通りかかったら標語が目に入った。

      「いい人に見えてもほんとは不審者だ」

      パオ。ぺ、びっくりした。

      Posted By XNOX クスノキス | 投稿日: 2007年4月16日 9時23分 | 更新日: 2007年4月16日 9時26分
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      4月9日。

      ああ、何もしたくない。このまま一生伏していたい。薄目がちになったところを家族に蹴り起こされ、体を布団からひっぺがされ、その時べりべりと音がした。

      一句詠む。

      「うさぎの背中はずるむけるイナバの白い物置」 

      そうだ!タヌキのヤブ医者は泥船に乗せて沈めてやろう。

      皮はがされて散乱した文庫本の中から一冊掴んで家を出る。里心がつくと行けないので振り返らない。車掌のフリーキックによってうさぎホームから転落、じゃなくて電車に蹴り込まれる。車中読書。中島義道「働くことがいやな人のための本」。誰、こんな本買ったのは。目次を開くといきなり「一生寝ているわけにはいかない」。

      うー神の啓示か。あーいぢいぢといぢましい内容。おー車窓は満開の桜。もー引きこもり青年の四畳半襖の下張りみたいな気分。

      白昼堂々よくもこんな本が大手から出版されたものだ。四畳半的悩みを共有できない斎藤美奈子氏は解説で思う存分鞭を振るう。うーん爽快。ふつう解説には社交辞令的なお愛想がつきものだが、ここには同情すらない。これは男対女なのか。じゃなくてバカ対カバなのか。それとも斎藤氏が言うようにパンダ対ゴキブリなのか。パンダは四畳半でゴキブリに怯えている。僕とうさぎは今も四畳半から出たり入ったり。

      たぬき医者「縫い針が怖くて裁縫ができるか!縫い針は君の心臓に勝手に突き刺さったりはしない。」

      うさぎ患者「だってちくちくするよ。ちくちく。」

      Posted By XNOX クスノキス | 投稿日: 2007年4月13日 10時59分 | 更新日: 2007年4月13日 10時59分
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      4月8日その2。

      つるつる見つるのはなぜだろう。

      決闘、ってことがまずあると思う。それから、芝居ってことだろうか。それもコテンコテンの古典劇。役者や舞台装置は変わるけど、脚本はギリシャ時代から変わらない。登場人物は18人(9×2)。キャラクターも役割もきっちり決まってる。あとはいい役者が持ち味を生かして大見得きってくれるだけでいい芝居になる。筋書きのないドラマというのはウソで、筋書きがあるから安心して役者たちの力量と個性を堪能できる。(というようなことを保坂和志氏が言っていたような。)野球を見て特にそんな風に感じるのは、(プレイとプレイの間の「ま」の)長さと(試合自体の)長さのせいだろうか。しまった、疲れた。伏す。

      Posted By XNOX クスノキス | 投稿日: 2007年4月10日 11時34分 | 更新日: 2007年4月10日 11時34分
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