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MAL Antenna - recommuni version2007/10 | ||||||
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いやー、そういうこともあるんだなあ。
音楽を買い始めて優に四半世紀。これまでいろいろなジャンルに手を出してきていたが、ずっとほぼ無視してきた方面がある。黒人音楽〜ソウル〜ファンクであります。それがいろいろな巡り合わせで、なんとなく今日から探求始めてしまいました。
音楽の守備範囲って食べ物の好き嫌いに似てますよね。特に「食わず嫌い」って現象に。なんとなく縁がなかったり、最初の出会いが悪印象だったりして、結構長い年月近づかないようにしていたりするあたり、似ているように思います。
思えば、洋楽に意識的になり出した頃、世はディスコ、ソウルブームだったような・・・。必然的に、日本では便乗商法により猫も杓子も「ディスコ」「ソウル」「フィーバー」。子供心に、非常に胡散臭く感じたものですが、多分それがソウルというジャンルにいい印象を持てなかった最初の理由でしょうね。連想クイズでソウルと聞けば「ソウル・ドラキュラ」とか「ソウルこれっきりですか」とか思いつくもんなあ・・・。
あとジャケットが嫌いだったんですよ。特に、黒人が複数、妙にキメた格好でリラックスしつつ歯を見せて笑ってるジャケットが・・・。あの雰囲気が苦手でねえ・・・。「クリムゾン・キングの宮殿」とか「聖なる館」とか、そういうジャケットは素直にカッコいいなあと思えたんですが。
男性の裏声ボーカルも苦手だったかな。ロックファンとしてはやっぱりシャウトだろ?、みたいな気負いがあったし、ゲイっぽい雰囲気も好きになれなかったし・・・。
でまあ20年以上途中色々あるわけですが、直近のきっかけとしては、
・マイルス・デイビスの70年代
・スライ&ザ・ファミリーストーンの再発
・「ファンキー・マツリ」の入手
という布石がここ数年あった上に、
・「Cold Blood」のLPジャケ買い
をきっかけに、「ところでファンクって一体何? どれがファンクなの?」と探求始めちゃいました。
マイルスの「オン・ザ・コーナー」は結構昔から好きでよく聴いてたんですよね。でもファンクだと思ってなかった。スライもこの前の再発買ってライナー読むまでロックとファンクの融合でリスナー層を広げたグループだとは思ってなかった。Cold Bloodの美人ジャケ(でも色彩とデザインがサイケで怪しい)からはシャウトするファンクは予想できなかった。
「オン・ザ・コーナー」ってとにかくひたすら強烈なビートが続く特異な作品で、ジャズファンから全然評価されないのも不思議はないんですが、執拗に続くハイハットを聴き続けているだけで結構飛びます(笑)。そのあと続けて有名どころのファンクを聴いてみると、全然違和感なく続けて聴けることを発見したのです。
こういう時こそNapsterですね。
ネットで調べて、片っ端から音を聞いていってみる。
ハードロックだったら数時間連続で聴くのはかなりキツイ気がしますが、ファンクは聴けた。まあたまたまこちらの体調がそういう感じだったのかも知れません。Betty Davis(短期間マイルス・デイビスの奥さんだった人。マイルスにファンクを教えたのは彼女という説も・・・ホント?)も昔ちょっと聴いて悪くないと思ったけれど、今聴くとかなり恐るべきシロモノだったというのが段々分かってきたり・・・。
危険なのは、ファンクってベースの音にかなり特徴があるので、気に入ってしまうと多分アナログで集めたくなるだろうという気がすること(笑)。
せっかくなんで、「ファンク—人物、歴史そしてワンネス」などという本があるみたいなのでオーダーしてみました(笑)。
コメント
歴史も何も無視して、適当に食い散らかす私とはまるで違うなぁ。
でも、当時のディスコを知る者として、ソウル○○とか、なんとかフィーバーを、ソウルやファンク好きな連中が喜んでいたかというと、その当時からぜんぜん喜んでなかったし、嘲笑の対象だったんです。
ディスコという場だけが好きな人の中には、ああいうものを好んでいた方もいましたけど、ほとんど音楽とは関係ないところに生きてる方々でしたよ。
ソウルはロックのように大きなトレンドがあるんじゃなく、地方地方によって特徴があったりします。
だから、レーベルが存在する地域によって違った色があります。
黒人はコミュニティの結束が強いので、ヒップホップでさえ地域によって雰囲気が変わります。
だからいまだに殺し合いがあったりもするんですが。
レコードは手に入れる前に、いろいろ想像してる間が楽しいんですよね(笑)。なのでいろいろ調べちゃう。ディスコグラフィー記憶するのが快感、ってところがあるのは三つ子の魂百までですわ。
ファンクをネットで調べていくと、すぐレア・グルーヴという言葉にぶつかります。私はレア・グルーヴって何のことか結構近年まで全然知らなくて(笑)。ソウル・R&B・ブラックのコーナーに近寄らずにいれば当然ですよね・・・。
このレア・グルーヴって言葉面白いなあ、と。
例えばこれから音楽やろうって若い兄ちゃんが「俺らこれからレア・グルーヴやろうと思ってます」とか言ってくれないかな〜、とか想像して楽しくなっちゃうくらい(笑)。
「ほとんどのレア盤は投げ売りされていた過去を持つ」というのは、中古レコード屋に行き始めて10年くらい経った頃の体感だったんですが、まあやっぱりそれは真実で、投げ売りされてたからこそ今レアになるんですよね。もちろん、内容は悪くないって前提がなきゃしょうがないんですが、時が経つと聞こえ方が変わるでしょう?
これまた自分ではほとんど買わなかった70年代歌謡曲を21世紀になってから聞くと、当時大嫌いだったはずの曲が悪くなく聞こえるのに似ているなあ、と思ったことですよ。
これらからいろんな経験則が導き出されます。
いわく、
・レア盤が欲しければ投げ売りされてる盤を買って20年保存しておけ。
とか(笑)。パンク、ニューウェイブ、80年代ポップスが当時どう売られてたか、そして今どう売られているかを見ればこの法則はここにも適用出来るように思います。
音盤流通業者としては、定期的に新しいトレンドを引き起こして流通促進する必要があるに違いありませんから、レア・グルーブみたいなスローガンはこれからもいくらでも生まれてくるでしょう。だからまあそういうのにはあまり深入りしないように気をつけようとか思ったり。
これは株式市場とかとも似てますね。
「今が買い時!」みたいなキャンペーンがあれば、それはキャンペーン張る側が売りたがってることを表してるみたいな。一般人を投資ブームに巻き込もうとしてきたここ1年の世論形成がこれから何を生み出すか、12月から1月にも予想されるアメリカ大不況の頃に分かってくるのでは?、とか。
このあたり、やはり原初経験が元になってます。
生まれて初めて中古レコード屋に行った時の思い出というのは、フィンガー5の同一タイトルLPが大量に、1枚10円(100円か50円だったかも・・・)で箱に入ってた光景。誰も買わないよな〜、と思いました。それが今やフィンガー5のコンプリートCDボックスとかがあるわけで(笑)。数十年単位で波打つように変化していくのであるなあ、と。
だから若人よ、投げ売りコーナーから本当に自分が気に入るものを見つけよう! 最近人気で値が上がっているようなジャンルは忘れよう!
・・・とか、言ってみたり。
というように、レコード買うのも聴くのも楽しいけれど、いろいろ妄想出来ること自体も楽しいのでした。
レアグルーヴってDJ文化から生まれたもので、かつてDJというのは音楽に詳しく、誰もが知らない名曲だったり、忘れていた曲をよみがえらせる役目があったんですが、最近はレアグルーヴというジャンルの新曲があったりして、本末転倒でなんだかよくわかんなくなっちゃってますけど。
DJがリミックスする際サンプリングするネタ曲が、レアグルーヴとしてもてはやされ、DJ予備軍が探しまわるんで、その曲のオリジナル盤が突然中古屋で暴騰するなんてこともよくあることです。
そんなものに大枚はたくくらいだったら、いま売れてないけど面白いものを大量に買って、将来に備えたほうがよほどいいDJになれるんですけどね。
MALさんが書いてるとおり、投げ売りコーナーにどっぷりだった人たちが、いまDJとして海外で名を知られる存在になってたり。
ファンタスティックプラスティックマシーンという名のDJ(日本人)は、かつてイージーリスニングと呼ばれるような音楽ばかり聞いていたという話もありますし、世界的に有名なヒップホップ系のDJ KRASH(こちらも日本人)はネタで喜多郎とか使ってますしね。
この方たちのネタ曲なんて、レアグルーヴでも何でもないです。100円でも誰も買わないレコードばかり。
音楽は懐が深いです。直接再利用の拡大再生産が可能ですから。
文学や映画ではなかなかこうはいかないです。