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霧の万年床〜楠 均のBGM日記2005/5 | ||||||
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先日は、久々の原さんの(バンド編成による)ライブで
久々にドラムを叩きました。
スティックで、普通の大きさの普通の形のドラムを、
普通より少し力を入れて叩くというのが
こんなに大変な労働だったとは・・・。
曲の勘所とかキメをさっぱり把握していないことにより
この20年間いったいどれほどのミュージシャンに
迷惑をかけてきたかしれませんが、そのことにより流した
僕の涙(ウソ)と冷や汗(ホント)の量もたいしたものでした。
しかしその冷や汗の量を上回る量の労働汗によって
僕の巨大な不安と罪悪感はきれいさっぱり洗い流されてきた
のかもしれないと考えさせられた一夜でした。
(この夜もいっぱい迷惑をかけていながら、脱水症状のために
ぼんやりして翌日まで正気を取り戻せませんでした。
でも、久々に大きな音でドラムを叩くというのは
バイクのレースに出るようなもので、へたをすると
ケガをするというくらい危険なもので、
50ccにすら乗れないので大変いい加減なたとえですが、
いやはや、ケガをしなくてよかったと本当に思いました。)
原さんはいつも万全なコンディションでステージに臨まれ、
最高の集中力を発揮するマドンナのようなアーティストであり
パフォーマーです。
年の割に少し○○に見えるので、
何も努力しなくても天然でそうなっているように見えるけれど
(確かに音楽的というか技術的な努力はここ30年
していないようにお見受けしますが)、日々の生活には
一本も二本も筋を通していると僕はにらんでいます。
とにかくここ25年、唖然とするような圧倒的な存在で
あリ続けていることに変わりがなく、そのことにまた
唖然とさせられます。
(大きな声ではいえませんが、
やっぱり少し○○なのでしょうか。)
バンドメンバーは自分たちが休めるからだけではなく、
原さんの超絶なソロパフォーマンスをいつも楽しみに
しているのですが、今回は原さんがジョニー・ロットンのため
それはナシでした。残念。
でも、年をとってきて力を出そうにも力がなくなっている状態で
出番前に原さんに「今日はパンクだから」と言われて
「え、そうなの」と戸惑いながらシンプルなロックンロールを
演奏するのは、ナンテイウカ、味わい深い楽しさがありました。
原バンドももう長いですが、実はこれからが旬かもしれません。
レコロケのライブに関していろいろコメントを
くださった方々にありがとうと言いたいです。
一人一人に返信したいところですが、今日のところは
勘弁してください。
こういう電脳空間(圧倒的に古い響きですが、圧倒的に
遅れている僕にとっては丁度いいです、このくらいが)
でのやり取りですよね、書いたら即返ってくるしかも
愛あるお言葉が、というのは実に新鮮です。
しかし一方で、皆さんいったい、日に何度見て何時間
くらい電脳にさいているのだろう、と思うと途方に暮れます。
僕もなんとか失礼のないように努力いたします。
さて、暑さのあまり、しなければいけないことを傍において、
まったく突発的にスタン・ゲッツのレコードをクリーニング
しました。
専用の液体と専用の布を使って。
僕はジャズに詳しい方ではありませんが、というか特に
何かに詳しい方ではありませんが(ついでに言えば
レコードコレクターでもありませんし、レコードクリーニング
を趣味にしているわけでもありませんが)なぜか夏というと、
(しかもこのように非常識に暑い時とか、うだるように
暑い夏が盛りを迎え盛りを過ぎて熟れきって腐臭を
放ちだすような時とか)スタン・ゲッツを思い出して
聴きたくなります。
本屋に入ると大便を催す人がいるらしいのですが、
それに近いかもしれません。
で、1年前に単なる衝動で買った専用の液と布で
拭ってみたのです、レコードを。
するとレコードがいい光沢を放ちだすので、何か意味のある
ことをやっているような気がしてきて、数少ない
ジャズのレコードを引っ張りだしてきて次から次に
クリーニングしていましたら、5枚程仕上げたところで
頭くらくら、額に首筋に大粒の汗が発生して、
その中の一つが磨いたばかりの黒光りするビニール盤の上に
ポトリと落ちました。
クールなのに滋味のあるスタン・ゲッツの音色によって、
一服の涼と今日1日の務めを果たすだけのエネルギーを
いただけはずがどうでしょう、このざまは。
やっていることが意味があるかどうかは常に自分の身体に
聞いてみなくてはいけませんね。
そんな訳で今日1日は終わったも同然。
ついでですが、ジョアン・ジルベルトと一緒にやっている
スタン・ゲッツは、生きている間にもう二度と聴かなく
ても特に惜しくはない、というのが僕の基本的な態度です。
二人とも好きですが、二人一緒のところを聴きたいとは
思いません。
そういうことって、結構あります。
こないだ北海道に里帰りしたら、母が好意で町に一つしか
ないレストランに連れてってくれたのですが、そこの
フルコースが本当に文字通りのフルコース、というか
完全に言葉の意味を誤解しつくしたものでした。
まず前菜に握り寿司と茶碗蒸しとシュウマイが同時に
出され、次におどろく程の量のグラタンが。
そして、中略しますが、メインにはステーキとやや遅れて
エビチリがこれまた目を疑うといっても差し支えない程
ふんだんに供されました。
年老いた両親と僕の家族は言葉少なに時間をやり過ごし、
食べきれなかったごちそうを折り詰めにしてもらって
その場を後にしまた。外はすばらしい夕焼けでした。
こうして書いてみると、なかなかいい思いでのような
気がしてきました。
紙以外のものに字を書くのは抵抗があってずーっと敬遠していたのですが、こういう公の場に身を置き、目の前を人々が軽やかに往来するのを見るにつけ、自分がひきこもりの偏屈じじいのように思えてなりません。(この暑い日盛りに渋茶をすすっております。)
そこで、その不安を払拭すべく、恐る恐る何か書いてみます。(慣れないので瓶詰めのSOSを海に流すような心細い気分です。)
昨夜ループラインでのレコロケ。自分のパフォーマンスに関しては不如意もありましたが、スタッフ、ミュージシャン、オーディエンスの熱気が三つどもえに絡み合って、充実した一夜になりました。
チル&マッドのお二人(大物!!)には実に久しぶりに再会できましたし、PERU FURU(超絶!!)のお二人とは知り合いになることができたし、めでたしめでたし。
暑い中長時間集中して観てくださった方々、本当にありがとう。
(ナンカコレ、日記っぽくないですね。)
コメント
毎回ちゃんと〆の言葉が決まっててお見事。
ボクは一週間にひとつ長めのを書くだけでせいいっぱいなのに。しかも〆の言葉に何時間も悩むのです…
楠ちゃん、やっぱ才能あるわっ!
原さんはくじらの対バン(2003/07のFAB.)で遅い初体験をしました。
友人に薦められていたのですがCDを聴いてもなんだかピンとこなかったのです。
原さんに全神経が集中してしまって見終わった後、体がガクガクしていました。しばらく放心状態で歩くのもままならないぐらい(冗談ではなくホントに)
今でもどこかにもっていかれちゃいますね。
「耳の夢」がすごく心に残りました。
「哀しみのソレアード」はベタなんですがいつも「あと何回こんなに楽しくなれるんだろう」と考えてしまいます。
おとこっぽい素敵な演奏ありがとうございました。
いつもと違ってロッケンロールなアレンジに
胸だけ躍らせて、じっと座ってワクワクしてました。
「僕の錬金時間」のスゥインギングなアレンジにもドキドキ。
男前なドラムプレイに、いけさん、やっきさんと3人で
おおっ!と盛り上がりました!