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霧の万年床〜楠 均のBGM日記2007/1 | ||||||
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レコーディングスタジオでBECK氏を聴く。ドラムサウンドの参考にしようということで。スネアドラムの音が美しく自然である。のに、生々しく聞こえるように緻密な処理を施されているようにも聞こえる。デジタルモザイク職人が作った壷だろうか。こういうのもバ−チャルっていうんだろうか?本当はどういう音だろうか。昔ジャズ喫茶なんかに行くと、たとえばライドシンバルの音なんか生々しくてというか目が覚めるようないい音でそのとき思うのは「やっぱエルビンさん凄いわ」じゃなくで「この(巨大な)JBL凄いわ」だったような気がする。少し齢をくうと今度は「あの当時のマイクは違うね」なんて知った風な口をきいたような気がする。当たり前だけどオリジナルのエルビンさん本人が凄いもんだからどうとったって凄いことにはなる。でもカメラと同じでマイクで録るってことは絶対に見たまま、聞いたままの音ではない。一度、スピーカーを蹴破ってケーブルをたどってマイクまで到達して、そこからよいしょとスタジオに降り立って、目の前のエルビン氏だのリンゴ氏だののサウンドを直接この耳で受信したいと思わないでもない。ただ、スタジオに降り立ったはいいが勢い余って床に倒れ伏したその状態で聞いてしまう、あるいは天井の鉄パイプにセーターが引っかかってしまって宙吊りの状態で聞いてしまうなどの事態も想定される。せっかく本物を目の前にして口惜しいかぎりである。臨場感を感じたければ、リンゴ氏のセットの真正面あるいは真後ろに立ち、数歩後ずさりしたい。「レコード芸術」に触れたい場合は許可をもらってスピーカーの前で聞きたい。でもひょっとしたら、リンゴさんと同じスタジオにいられる喜びだけで、天井から逆さ吊りになりながら天上の音楽を耳にしているかも。いい音って確実にあるのに定義できない。
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