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霧の万年床〜楠 均のBGM日記2025/4 | ||||||
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熱上昇。終日伏す。東京マラソン見る元気もなし。
花粉症が風邪を引き寄せしんどいことになってきた。震度4。においと味がわからない。讃岐うどんも文旦も六花亭のマルセイバターサンドも、食感で当てるクイズをしてるみたい。新聞の告知で気になっていたマリオ・ブルネロというチェリストのライブを見に行く。(去年やはり新聞の告知で知ったドメニコ・モレノ・カシンを見に行き、これが大当たり。新聞がほぼ唯一の情報源なので後で知って悔しい思いをすることも多いけど。)バッハの無伴奏と現代の作曲家の作品。途中咳が出そうになるのをこらえて気絶しそうになる。チェロという楽器から実にいろんな音が出てくるのに驚く。ギミックのない地味なスタイルだけどその誠実さ、確かさが届いてくる。(やはり練習は大切だ!)5月の音響ジャムにぜひ参加して欲しい。ベーシストのY氏ご夫妻に会って大いに驚き合う。
中学の教科書をひもといていたWから、水は気体になると体積が1700倍になると聞かされ、別にア然としなくたっていいようなものだがやはりア然とする。子供はこういうことでア然としたりしないもので、ならば中学までは読み書きそろばんだけでいいんじゃないのって気がする。山椒とかミョウガとかだって大人になってから好きになるでしょ。科学者に言わせると水ほど不思議な物質はほかにないってなくらいのもんらしい。「水の粘性」なんて言われてもねと思いながら風呂の湯をかき混ぜていて、おお確かに粘る!
花粉症もあって終日臥す。
マン2でオニキユウジさん、石井マサユキさんと対バン。タイバンてどう書くの?出かける直前まで準備する。よい子のみなさんはマネしてはいけない。僕も早くよい子になりたい。マサユキ君のギターさばきを至近で見る。うっとりする。ギターの音色と息づかいだけが抽出されていく。メロディや和音はそれを生かすためのひとつの方法という気がしてくる。オニキさんは一人でも複数の糸のテクスチャーを感じさせるひと。そのテクスチャーをバンドがより稠密にそして自然に膨らませていく。私は今年初のXNOX、楽しくやらせていただきました。5月20日に新中野の弁天というライブハウスで「音響ジャム」という催しに参加する予定です。(XNOXとしてのライブもする予定です。)leteでのワンマンもぜひ実現させたいです。
朝日美穂さん主催、バレンタインデーイベント。ゲストはキリンジの高樹さんとポラリスのオオヤさん。それぞれの持ち味がトリュフチョコの詰め合わせのようにおいしいんです。朝日ちゃんは体調不良でも慌てずじっくり遠赤外線ストーブのように力を発揮しておられた。お見事。あやかりたい。
原マスミさんライブ。相変わらず異常にマイクのりのよろしい声。囁いたってギーンと届く不思議。はじめは何だこれって思ってた「アイス!アイス!アイス!」という曲、今では「アイス買ってくれなきゃここから一歩も動かないよう!」という絶叫に落雷する。いや落涙する。なんだかよくわかんない。息子の社会科と理科の先生が見に来る。的確な演奏だったと褒めてもらいひとまずホッとする。
早朝、タクシーで青森空港へ。初老の運転手さんから「ねぷた」の話をねぷたっぷり聞く。標準語で話してくれるが時折わからない箇所がある。ねぶたとねぷたを30年近く前に見たことがある。「ねぶた」はカーニバルで「ねぷた」は秘祭という印象だった。五所川原のねぷたは必見、と言い残してタクシー去る。空港のやる気のない食堂でぺなぺなのパンケーキにコーヒーがつくだけのセット850円也まずい。こういう場所でのパンと名のつく朝食に弱い。しかも地方の空港には勝手にロマンをいだいている。食堂の娘さんがスタイル抜群で派手でかわいらしいのにも引かれたような気がする。こういうカモがいるから結構やってけるのかな。
弘前のホテルでディナーショー。ホテルの食堂で働く娘さんに「わのだびょん」教わる。「びょ〜ん」ってなんだ。ふざけてるのかフランス語か、一同騒然とす。意味は「私のものだと思うけど」ですって。齢とともに方言が好きになる。何言ってんのかわからないから、音色やイントネーションというかメロディやリズムの起伏に耳がいく。
明日から水中深く潜行するのでXNOXの練習をしておこうとスタジオに4時間はいる。抱えきれないおもちゃを自転車に積んでいく。配線するだけで30分かかる。トイレに行ったり、小腹がすいては戦ができぬと輸入物のチョコをひとかじりしたらこれがひどくまずくてウェッと思ってラベルを見たらカカオとは一言も書いてないエセチョコだった、どおりで安いと思ったなんてことがあったり、せっかく500時間もかけて用意したカラオケがしっくりこなくてがっくりきて、慰めに関係ない音を出してたらそっちが俄然面白くなってきて、そうだ今回はこれでいこうとインスト2曲、歌1曲、よし歌詞も1行浮かんだぞ仲々いいじゃないか2行目、お、もっといい、しかし3行目に苦慮するうちにハッと顔を上げると残り時間45分。オーマイガ。青ざめて新曲は床に投げ捨て用意したものにまじめに取り組むこと15分、慌てて片付けること15分。でもせっかく視界の端にドラムセットが見えているのに指1本触れもせで悲しからずや貧乏性の君は懐から菜箸取り出し、お皿叩いてチャンチキおけさ。ここで残り5分を知らせるライトが明滅し、めでたく模範的に退室。
報われぬような報われたような錯乱した夜にとにかくこの大都会にあっても星は鮮やかにきらめいていて、まぁいいかとふらつきながら家路を辿る。