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a person powered by ototoy blog
recommuni四方山話ススムヨコタさんのアルバムから1曲ずつレコメンド。これはアルバム『laputa』から。このアルバムは全体的に、一定のリズムものは排除されていて、音のコラージュの面白さに徹している。
この曲も、イメージは抽象的だが、とても映像的な楽しさを感じる。
この曲が収められているアルバム『Will』は全編さまざまな気持ちいいドラムサウンドが展開する。
グルーブも音色もそうとう吟味されていて、ドラムにはちょっとうるさいボクも好きな音がいっぱいある。
実在のドラマーでいちばん好きなのが、元Tower Of Powerのデビッド・ガリバルディなんだけど、その音色とフレージング、グルーブを髣髴とさせるような小気味よいドラムを聴かせてくれるこの曲をレコメンド。
お笑いの話ばかりで恐縮だが、気になることは書いとかないと。
2003年からの大お笑いブームはまだしばらく続きそうだが、最近の朝日新聞に、このブームは日本テレビの『エンタの神様』が作ったように書かれていた。え!?ちょっと待った。それは完全に間違ってますからぁ!
確かに波田陽区や友近や青木さやかはこの番組から売れたかもしれないが、今回のブームの火つけ役は何と言ってもNHKの『爆笑オンエアバトル』である。観客の採点で出演の10組のうち上位5組だけがオンエアされるというこの番組は、若手芸人のオーディション的な空気もあって、純粋に一所懸命にやっているネタを見ることができるまっとうな番組だ。今はお笑いと音楽の2バージョンを交互になっているが。音楽のほうは二度ほど見たがつまらなかった。
ボクはこの「四方山話」の#26で、『エンタの神様』の批判をしている。日付は2003年11月23日である。これはたしか『エンタの神様』が始まってまだ間もないころだった。いっぽう『爆笑オンエアバトル』はそのずっと以前から放映されている。
ネットで調べても番組開始時期は判らなかったのだが、2000年5月には番組と連動した最初の単行本が出ている。オンエアを収録したDVDのたとえばアンタッチャブルのものも「2000年4月30日放送」分から入っている。
いつ更新されたか判らない古い記事に「……まだここから全国区に飛び出す程の芸人は誕生していないが、……」なんていう記述があった。言うまでもなく、テツ&トモ、はなわ、長井秀和、ダンディ坂野、マギー審司、ますだおかだ、ハリガネロック、ユリオカ超特Q、ドランクドラゴン、いつもここから、パペットマペット、など今回のお笑いブームの立役者たちはほとんどこの番組から誕生したわけであり、「誕生していない」という記述は、この番組が、彼らがまだ売れていないころから彼らのお笑いを伝えていた、ということの証拠である。
『エンタの神様』はむしろブームを短命にしてしまう「癌」じゃないか、個人的にはむしろそういう認識であった。「四方山話#26」で書いた「もうすぐ「お笑いブーム」は終わってしまう、と確信する。」という予言はまったく当たっていないが……。
天下の朝日新聞が事実を曲げてもらっては困る。そのような記事がいつのまにか「日本お笑い史」となって残っていってしまうのだろうな、とボクは、ここに「歴史」というものの本質を見たような気がした。
たかがお笑い番組のことで大げさな、なんてバカにしないで。一時が万事。三大紙のような巨大メディアが書くことは、「事実」でなくとも「史実」になっていってしまう(かもしれない)ことの、すごく解りやすい現在進行形の例がこれですよ。
一方、旧日本軍の慰安婦制度を裁いた「女性国際戦犯法廷」を取り上げたNHKの番組が自民党の安倍晋三、中川昭一の指摘により内容を大幅に改変されたという「事実」がNHKのプロデューサーによって内部告発された問題で、朝日新聞はそもそも「慰安婦問題」追求路線なので、それを大きく取り上げ両議員の行為を批判しているが、両議員およびNHK幹部がそれに対しそんな「事実」はないと、逆に朝日に抗議をしている。
どう考えてもこれは内部告発のほうが「事実」だと思う(じゃないと告発しないでしょう…)が、そちらに立った朝日対権力の中枢にいる大物政治家二人+NHKの連合軍。どちらに勝ち目があるのだろうか?そして何が「史実」として残っていくのだろうか?
2005.01.16
福岡智彦