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recommuni四方山話

2005年01月31日

四方山話その八十五【電話】 

毎日大量のメールに目を通し、書く。ネットワークやパソコンにトラブルがあると大半の仕事が止まってしまうような社会に、いつのまにかなってしまった。たまにそういうトラブルがあると、はて、電子メールというものがない時代にどうやって仕事をしていたんだろう?と感慨にふけったりしてしまう。

それはそんなに昔の話じゃない。1995年に会社で、社員ひとりひとりにパソコンが欲しい、と要望を出したら、とんでもない、と一蹴されたという経験がある。当時はデスクの島(いくつかくっつけてるでしょ)ひとつにパソコンひとつという状態だった。文書を清書したり、ちょっとしたチラシをデザインするという程度でしか使っていなかったのだ。一人一台があたりまえになった(=メールを使える環境)のは1997年以降くらいではないか?

だけど、このごろrecommuniでの音楽配信の許諾交渉業務で、メールでなく電話を使うことも多い。recommuniはユーザーから配信希望があるとその音源の権利者にコンタクトをとって許諾交渉をする。権利者のメールアドレスがわかる場合はまずメールを送るが、電話番号しかわからない場合や、メールをしても反応がない場合、電話をする。

ひさしぶりにこの、電話の不便さを味わうなー、って感じで、電話して担当者がいる確率は20%。「おりかえし電話ください」と言ってもしてくれるワケないから、つかまるまで何度もしなければならない。担当者がつかまったとしても、初めての電話、しかも「レコミュニ」なんていうちょっと言いにくい、知らない人にとってはワケのわからない相手からで、さらに近頃は「振り込め詐欺(どう考えても「オレオレ詐欺」のほうが覚えやすいよね)」も流行ってるし、警戒心丸出しの相手もいたりして、だけどその気持ちも解るだけに、話すのにやたら気を使う。

そもそも電話は好きじゃない。かけてもいなかったりと効率が悪いのと、かかってくるのはこちらの状況はおかまいなしなので、時と場合によってはえらい迷惑だ。とは言え、だいじな用件かも知れないので出ないわけにもいかない。

まあそのへんは携帯電話によってだいぶ合理的になった。留守電に入れておけばそのうち聞いてくれるだろうし、かかってきた電話も相手がわかるので、知らない番号には出なきゃいいし、だいじな用なら留守電を残すだろう、と放ってもおける。

ボクは電話がキライなので、携帯電話を持ったのはすごく遅かった。周りから、仕事上どうしても持ってくれ、と頼まれるくらいになってからやっと持つようになったが、持ってからボクの考え方が逆だったのを知った。電話がキライなら早く持つべきだったのだ。

こんな時代でも、おもに電話を使う人もいる。知り合いにも、メールを出してもそれに返信はしないで、必ず電話をかけてくる人がいる。そういう人はたぶんキーボードで文字を打つのが面倒なんだろう。メールで返事が来るときも文がとても短い。

そういう人がけっこうたくさんいるらしいことは、文字入力がなるべく要らないような機能がいろいろ開発されることでわかるが、それらはどうもボクには中途半端に思える。

大竹しのぶがやっていた携帯電話のCMで、ボイスメールというか、しゃべった音声データをメールのように相手に送れる、というのがあったが、留守電でいいんじゃないかと思う。

そうかと思えば、最近NECが携帯電話でしゃべったことを文字に変換してメールできるソフトを開発したという記事を見た。音声認識技術はずいぶん前から開発されていると思うが、まったく定着していない。変換された文字が間違ってたらそれを訂正するのが手間だし、まったく間違わないことはおそらくありえないからだろう。NECのこのソフトもきっとモノにはならないだろうと、ボクは予言しておく。

だけどそもそも、携帯電話という「電話」の発展上に、メールやらネットワークやらデジタルコンテンツやらいろんなものが乗っかって、情報からエンタテインメントまでそこに集約されてきているという事実が、「電話好き」の多さを物語ってるんだろうな。

電話嫌いはやはりマイノリティですか。

2005.01.30

福岡智彦

| Posted By 福 投稿日: 2005年1月31日 0時25分 更新日: 2005年1月31日 12時23分

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