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蜩音楽帖2009/4 | ||||||
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愛のむきだし、名古屋では今やってるんです。
名古屋は映画が遅いです。
とはいえ今日で終わってしまったようですが。
私は滑り込みで昨日観て参りました。
とんでもない怪作だ、と思いながら4時間、飽きることなく楽しみ、感動もしたはずなのですが、一夜明けてみると、思ったほど余韻が無い・・・。
どうしてだろう、、、と考えてみたのです。
だってどう考えても、凄すぎる、後世に残るような凄い怪作であることは間違いないのです。
思い出してみますと、私的にちょっと・・・だったのが、脇を固める重要なキャストである渡辺真起子女史と、奥田瑛二氏のご令嬢安藤サクラのお二人。
渡辺真起子さんのことは、かなり昔から存じ上げているし、15年くらい前になりますが舞台でも拝見しています。いい女優さんだということは重々承知です。
でもどうしても彼女のアップが、、、
この映画の特徴のひとつに、キャストのどアップの多さがあります。とにかくアップが多かったです。
で、渡辺さんのアップが、どうしても、個人的に、ダメでした。
渡辺さんはとても素晴らしい演技をしておられたのです。知性の欠片もない、蓮っ葉でだらしなく淫乱なカオリになりきっていて、オスカー級の演技だったとは思うのです。
昔ワイルドアットハートで、ローラ・ダーンを見たとき、「なんてヘンな顔」と思ったのに、見ていくうちにどんどん、どんどん可愛く見えてきて、ラストにはもう彼女が愛おしくてたまらなくなりました。
でも渡辺さんのアップはとうとうラストシーンまで、受け付けることができませんでした。日本人離れした素晴らしいプロポーションではあるのですが、あまり妖艶だとも思えず、なんで渡部篤郎がこの女性に堕ちてしまうのか、理解に苦しんでしまいました。
とどのつまりは嫉妬なんでしょうね。
そして安藤サクラ嬢。安藤和津の生き写しのような彼女の演技もまた、賞賛に値するものだったことは私でも十分わかります。
彼女が演じたコイケと言う役柄はかなりクレイジーで嫌な奴だったのですが、安藤サクラ嬢もまた、見事に演じ切っていたとは思うのです。
だけどなんでだろう、やっぱり彼女のアップもまた、、、。
妙に顔が大きくて、体型もなんだかもさっとしていて、垢抜けないカンジが気になって仕方ありませんでした。
扇情的でキワどいあれやこれやの所作も、なんかイチイチ癇に障りました。上手すぎるからなんでしょうね。でもアンタがそれをやってもそそられん!とココロの中で何度もツッコんでしまいました。ああいう役はやっぱり、栗山千明とか香椎由宇あたりか、あるいは江口のりこさんあたりにやってもらいたかったです、個人的には。
でも、やっぱりあの役は安藤サクラ嬢にしか演じられなかったのでしょう(とさりげなくフォローする小心者の私)。
憎ったらしいコイケが何だかあっけなく自害してしまったのもちょっと拍子抜けでした。あんだけあれこれやらかしたんだから最後にもうひとあがきして欲しかった気がします。
ストーリー的に引っ掛かったのはそこだけです。
偉そうにいろいろ書き連ねておりますが、勿論自分のことは棚の最上段にあげていることは重々承知であることをここであらためて強調させていただきます。
つまりはこのお二人が、あんまり私のタイプではなかったということなのでしょう。
映画をこういう角度からしか見られないような私が書くことなどあまりお気になさらないでくださいね。
ケチばかりつけずにちゃんと素晴らしかった点も書きたいと思います。
主役のふたりの底知れぬ演技には驚愕しました。とくに満島ひかり嬢、魂を切り売りしてるかのようなあの演技。それはもう空恐ろしい、狂気じみている。度肝を抜かれるとはまさにこのことです。
西川隆弘くんもこれが映画初出演とは驚きます。園子温監督の選定眼というのか、ずば抜けたセンスには脱帽です。
で、このふたりは本当に美しかったのです。
ついでにいうと、渡部篤郎も麗しすぎるのです。
結局のところ、そういうことなんですね。
何事も主観的にしか見られないままこんな歳になってしまった・・・
この映画を先に観た方が「ゆらゆら帝国の曲が未だに頭の中を廻っている」と言っておられたのですが、本当、ゆらゆら帝国いいですね。ちゃんと聴く機会が今までなかったのですが、これからCD聴いてみようと思っています。
・・・と最後にrecommuniらしく音楽の話に強引に帰結させて、書き逃げしたいと思います。
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