a person powered by ototoy blog
蜩音楽帖2012/1 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
29 | 30 | 31 | ||||
2012/2 | ||||||
1 | 2 | 3 | 4 | |||
5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 |
12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 |
19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 |
26 | 27 | 28 | 29 | |||
2012/3 | ||||||
1 | 2 | 3 | ||||
4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
園子温。
冷たい熱帯魚がターニングポイントだった、のかな。
冷たい熱帯魚、絶賛してる人多かったですよね。
園子温が巨匠チックになってきたのって、熱帯魚からですよね、きっと。
それで遡ってむきだしや自殺サークルや紀子の食卓レンタルしてみたりする人多かったみたいですね。
私が最初に観た園作品は確か、「桂子ですけど」で、シネマテークで観たのですが、あれはいつだったかなぁ、とつぶやいたところ、シネマテークの永吉さんから「97年の7月です」とリプライ頂きました。
97年だったら私まだ20代…
90年代に、単館系の邦画で私的に当たりの映画に次々と出会ってちょっと中毒気味になっていたせいもあって、もっと、もっと面白いもの!という感じで、ギラギラしながら探していて、「桂子ですけど」も、チラシを見て、もしかして、と思って観に行ったような…
平日の昼間だったので、お客が自分ひとりだったような記憶があります。
それはまぁいいのですが、なんというか、ここ1、2年の園ブームみたいなの、なんかなぁ、って思う私はやっぱり天邪鬼なのでしょうか。
自殺サークルも紀子の食卓も全然好きになれず、園子温と言う名前をチェックしなくなってしばらくしたころ、4時間の映画!と言うことで話題になって、ちょっと期待して観に行ったむきだしが、私的にはイマイチで、熱帯魚も全然いいと思えなくて、とうとう恋の罪は観に行きませんでした。
でもねやっぱり、ヒミズは観てきました。
仕事で斡旋してるMOVIXの券が、1月末に期限が切れるっつーのに大量に売れ残っててノルマに達してない、っていうのもあったのですが、ノルマに達してても観に行ったと思います。
私は、もう、今年しょっぱなに不惑のアダージョを見てしまったせいで、しばらく何を見てもあれを超えてくれそうにない、と思いながら見てるせいもあるのかもしれませんが、それだけでなく、私は近年の園ブームにどうしても乗れないのは、見ててどうもちょっと、くすぶるものがあるからです。
親が子供に平然と死ねと言ったり(あれはしつこすぎでは?イラつく観客を想定してしたり顔の監督が目に浮かぶ)、言うだけでなく装置のようなものまで作ってそれを子供に見せつけたり(そうだ、前作では親が子供を殺してしまったんですよね)、かと思えば娘が死んだ父親を足蹴にしてやっと死んだよとケラケラ笑ったり、ああいうの、どうも、映画だからって言っても、私はなかなか消化できない。
綺麗ごと言ってるつもりもないのですが、お金を払ってまで観たいシーンではないです。
でも、映画は監督のものだし、表現の自由は保障されているものですから、悪いとは言いません。ただ私は苦手なだけです。
かといって、「親なのだから子供のために命をなげうって当然」的な、ダンサーインザダークみたいなのも大嫌いだし、「美しき親子愛」的なのも、ヘタなのはかなり白けます。
このへんはかなりデリケートな部分だと思うので、余計なこと言って墓穴掘るのは、やめておきましょう。
染谷将太くんと二階堂ふみちゃんが演じる中学生は、どうも、おとなびてる気がして、中学生に見えなくて、でも高校生にしてはちょっとおぼこい気もするし、なんだか微妙だなぁ、と思いながら見ていたのですが、ラストに近づいていくにつれ、中学生に見えようが見えまいが、どうでもよくなってきます。
ティーンネイジャーでいいじゃんか、と思います。
住田、可愛げないなぁ、と思っていたのですが、だんだん愛おしくなってくるんですねぇこれが。
終盤の住田くんは本当にいたいけで、頭を撫でてあげたくなります。
そしてあの、私が言うまでもないくらい各所で称賛、大絶賛のラストシーン。
途中までは、嫌いなシーンもたくさんあって、やっぱり私、園子温ダメだわ~とか思ってたんだけど、ラストでは、揺さぶられますね。突き上げられますね。
あれは、どんな鉄の男でも泣くと思います。というより、男の方が泣いてました。しゃくりあげてる男の子とかもいましたね。
そういう私も、ラストには「ああ、みてよかった。」と、こぼれる涙を拭いながら強く思ったのでした。
私には、座右の映画、はたまたソウルムービー?
というような映画が、あります。
大好きな映画、フェイバリットムービー、思い入れのある映画、と言うのとも、ちょっと違います。
そのレベルではないです。
うまく言えないのですが。
去年までの、私のソウルムービーは、3本。
すべて邦画です。
順位ではなく、公開順(鑑賞順)です。
1.草の上の仕事
2.カナカナ
3.父と暮らせば
どこがどう、と言う説明など、できません。
好きだから、ということだけではないからです。
「筋金入り屁理屈こね女」の私が、理屈をこねられないのです。
さて、今年の1月5日に、4本目が加わってしまいました。
それが、「不惑のアダージョ」です。
出会えて、よかった。ありがとう。
ちなみに併映の「大地を叩く女」も、良かった!
同じ監督さんでして、この、井上都紀さんと言うアラフォーの女性監督さん、いやぁ、恐れ入りました。
今後、この方の新作が公開されるたびに、必ず観に行ってしまうことでしょう。
コメント