a person powered by ototoy blog
霧の万年床〜楠 均のBGM日記2007/7 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 |
29 | 30 | 31 | ||||
2007/8 | ||||||
1 | 2 | 3 | 4 | |||
5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 |
12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 |
19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 |
ギャビ−&ロペスでフジロックへ行く。ちいちゃな谷間みたいなところにあるオーロラというステージで45分間演奏。とても気負いのないステージなのに妙に気負ってしまった気がして山の神様に恥ずかしい。初めてきたけど(もう来ないかもしれないけど)とてつもないイベントですわ。考える人の気が知れない見に来る人の気が知れない。ヨットで世界一周する人アンデスにカブトムシ見に行く人、甘茶でカッポレ真夏にポリシュカポーレする人の気が知れない、サーフィンしながらアイロン掛けする人の気が知れない(いやそんなスポーツが実際あるらしい)。すごいエナジーだ。僕なんかこの場にいるだけで塩擦り込まれたナメクジになる。みんな頭がヘンですわ。そのとてつもないイベントが想像できる限りの見事さで整然と運営されていることにもビツ栗。メンバーの一人が大事な石を落として暗がりで皆で探していたら、若者がすっとライトで照らしてくれて一緒にいた娘さんが「ほらそこ、あそこにも」とまるで蛍でも見に来たみたいに楽しげに笑う。お祭りに友達と出かけて好きな子とばったり出会った時のように甘酸っぱいときめきがそれこそ蛍の光の瞬きほどの時間「明」、そして「滅」。これをもってフジロックスピリットの一端に触れた気がしたといったら向こうから石が飛んで来るのだろうか。
梅雨の晴れ間。抑えられていたものがどっと噴き出したような圧倒的な光。地面にゴリラの鼻くそがたくさん転がっている。謎、と思いしゃがんでよく見る。見上げるとユキヤナギの葉っぱに丸々太った青虫。ゴリラの鼻くそと思われたものが実は青虫の糞だったということで、これからは「ゴリラの鼻くそ大」という使い古された比喩のかわりに「太った青虫のくそ大」と言う新たな比喩が使えることを喜ぶ。目の覚めるような鮮やかな色をした青虫、あるいは芋虫(どう違うんですかキラ君)は真新しい大福のような感触で食欲をそそる。も一度触ると今度は少し緊張して力士の尻のようにきゅっと締まった。思うほど遠い存在じゃないな。少なくとも自分からの距離は力士と同程度ではないか。このままではユキヤナギが枯死するであろうという世間の声に押されて、踏ん張る青虫を葉っぱから引きはがす。はじけんばかりの弾力が指先に伝わって来る。何という充実であろうか。40年前力士を夢見た僕の尻も或いはこのようであったかもしれぬ。今や痩せ萎びた我が尻はその所在すらおぼつかない。青虫を広大なジャングルに返す前にその感触を愛でる。頬ずりしたいが世間がぎゃあというのでやめとく。
コメント
それと、ボクの回りに音楽関係者なのにフジロックにまだ行ったことのない人の多いことと、チケットとアゴアシで5万円もかかるのに、夏の苗場くんだりにあんなに人がいることのギャップ。