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霧の万年床〜楠 均のBGM日記2007/7 | ||||||
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2007/9 | ||||||
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皆でサロマ湖へ行く。途中、父の希望で去年の竜巻事故の現場を通る。僕の友人の会社の同僚は工事の仕事で現場にいた。打ち合わせの最中、トイレに立ったそのすきにトイレごと吹き飛ばされ、気がつくと数10m離れた歩道に座っていたのだという。亡くなった人のための慰霊碑が作られているようだった。車を止めませうかと父に聞くと、「いやいい」と言う。何しにきたのかよく分からない。
サロマ湖は日本で2番目くらいに大きな湖で、海とつながっている。ここで採れるホタテなどの海産物がこの辺りの主たる産業だと思うので湖と呼ぶのは少し違和感がある。遠浅の実に穏やかな湖(うみ)で、オホーツク海との境目の細長ーい陸地は原生花園になっていて、車は入れない。最果ての一種には違いないのだがのっぺりと穏やかで、ひっそりと地味で、荒々しい厳しさは感じられない。(観光客向けの売りは流氷ということになるのだろうか。)内陸部を含めたこの地域のためにわざわざオホーツク気候という名称がある。調べてから書くべきところだけれど、18年住んだ僕の感じで言うと、夏冬の寒暖の差が大きくて日照時間が長く、海岸から離れると風は穏やかで、雪が比較的少ない。道東と道北に挟まれて、いつまでもモラトリアムを貪る暢気な三男坊という感じ。家の手伝いも勉強もせずロックばっか聴いて・・・。それはオホーツクと関係ない。僕の兄はいつでもどんより曇っていたと言う。僕の印象と食い違う。音楽との出会いを空模様や風の具合とともに記憶しているために、その頃聴いた音楽はみなオホーツク内陸部の色と匂いに染まっている。僕の天気の記憶はひょっとしたら音楽の輝きの記憶なのかもしれない。事実としては音楽とオホーツクは関係ないに決まってるけれど、その両方を環境として育った人間にとっては切り離せない一枚の織物となる。オホーツクも音楽も、人間のそういう小さな思い入れには頓着ないと思うけど。
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