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2005年03月23日

ガラクタ売り (Les Colifichets)/Amelie Morin 

中古レコード屋さんに行くと、大抵はバーゲン価格で全然知らないものを買ってみます。もちろん外れもありますが、当たったときの楽しさはまた格別。今日ご紹介するアメリー・モランというフランス女性のレコードは、つい先日中古でなんとなく買ってきた一枚です。

81年発表のフランスもの。ジャケット裏のライナーには「ユニークな演唱」「妖精のような彼女の歌声」といった、じつはあちこちに書かれている常套句で、期待通りのことは少ない惹句が見受けられます。まあそれでも結局買ってみることにしたのは、なんとなくとしか言いようがありません。

そんな風にして買ってみたレコードって、家に帰って聴いてみると、掛けた途端に「失敗だった〜」とがっくり来ることもあれば、「お、まずまずいいじゃない!」と喜ぶこともあります。けれど試聴の積もりで針を降ろしたのに、予想を超えて面白く、ついつい聴き続けてしまうほどのものは滅多にないのです。「ボンジュールって言わせて」と題されたアメリー・モランのアルバムは、そうした少数に属する1枚でした。

ケイト・ブッシュや工藤順子とも通じるものが感じられる、ファンタジックにエキセントリックな歌手でした。サウンドも電子楽器に偏ることなく、シンセもあればストリングスもあり、サウンドコラージュもあればアコースティックなものもあり、とバラエティに富んでいます。どちらかと言えばウィスパー系の歌い方ですが、新しめのシャンソン、といった肌合いです。

それに歌詞も結構独特。シングルも出たらしい 「ボンジュールって言わせて(J'etais Venue Pour Dire Bonjour)」という曲は、ロリータっぽい可愛い曲だなと思って訳詞を見れば、どうやら妹のために殺し合って死んでしまった兄に向けて歌っているような内容。「私のレースの上に 血があるの」というフレーズはなかなか怖い。

かと思えば続く「ガラクタ売り(Les Colfichets)」は道ばたでガラクタ売りをしている女の子の歌。「ほんの数メートル離れただけで 5世紀以上の時間の差」とは! 目の前に並べたさまざまな骨董品と目の前を通り過ぎる現実の喧噪の間をまたぐ夢想がごっちゃになっている歌。まずは真っ先に気に入ったこの曲からレコメンドすることにします。

さて、レコメンドを書きながら調べてみると、彼女はこのアルバム以降に少なくとも1枚はアルバムを発表している様子ですが、CD化されたものはなさそうです。他はシングルが何枚か。

・・・と書いてからフランス、アメリカの中古レコードサイトを検索してみたら、在庫は少ない上に高い! あららら、実は有名な人、有名なレコードだったんでしょうか? どうぞお詳しい方いらっしゃったら、追加情報下さい。お願いします。

う〜ん、こういう発見がたまにあるから、中古漁りは止められないのですよね〜(笑)。

ガラクタ売り (Les Colifichets)/Amelie Morin
Posted By MAL 投稿日: 2005年3月23日 0時0分 更新日: 2005年3月23日 0時21分