a person powered by ototoy blog
MAL Antenna - recommuni version2005/1 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 |
23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 |
30 | 31 | |||||
2005/2 | ||||||
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | ||
6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
いろいろ説明が必要な録音です。
まずパッケージですが、おそらくは1963年(もしかしたら64年かも)に発売されたソノシートブックです。これはちょうどシングルレコードくらいのサイズの小冊子で、途中にポリ袋のページがあり、そこにソノシートが入っている、という形態の本です。ソノシートは4枚入っていて当時の定価が400円となっています。表紙を除いて16ページあります。
タイトルは「渚のデイト」。サブタイトルは「コニーフランシス−ヒットアルバム」です。
収録曲は、
・渚のデイト
・可愛いベイビー
・愛さずにはいられない
・バケーション
・ボーイ・ハント
・大人になりたい
・夢のデイト
・思い出の冬休み
となっています。
中はおおよそコニー・フランシスのピンナップと曲解説の他、「コニーの魅力」と題した漣 健児の2ページ記事、4ページものの「コニー・フランシス物語」などを掲載しています。
曲解説は1ページ1曲。そしてページの7割はコニー・フランシスのピンナップで、2割が曲解説。そしてピンナップ写真のすぐ横に1行だけ、「唄*渡辺ルリ子 演奏*フォノ・ジャーナル・オーケストラ」と書かれています。これ以外にはまったく演奏者に関する情報が書かれていません。
これはかなり極端な例ではないかと思います。大抵は、1冊の中の1ページくらいは実演奏者の紹介に費やしているソノシートブックが多いのですが・・・。このブックでは、曲によってバックの演奏が2バンド、歌手が5人登場します。
ここでの渡辺ルリ子という歌手の唄はなかなか悪くありません。
さて、それ以外に中に書かれた記事を一部ご紹介しましょう。
−−−−−−−−−−−−−−−−−
【コニー会に入ろう!!】
コニー・フランシスの日本ファン・クラブができました!!
あなたのご加入を待っています。
★会員の資格
・二才から八十才位までの男女でコニーの歌声が好きで好きでたまらない人。
(後略)
−−−−−−−−−−−−−−−−−
1960年代初頭における日本の音楽をとりまく状況の一部が垣間見られる、なかなか貴重な資料ですね。本当にほぼ全ての人をリスナーとして想定した、懐の大きい会員資格だと思いました。
ところで、このような古いレコードを私がなぜ持っていたりするかといいますと、友人のご両親から譲り受けたのです。古いレコードが物置から出てきたので、捨てる前にもし欲しいのがあったらどうぞ、って。哀しいことに、いくら家が狭くなるばかりの毎日を送っていても、こうした申し出には一切逆らえないという体質になってしまっている私は、結局ほぼ何も捨てることなくそれらを引き取らせてもらった、という次第です。
しかし、すでに私からすると、こうしたレコードの存在自体が、大らかなのかデタラメなのかよく分かりません。同じような形態で、最新ヒット曲集と題したものにはビートルズの曲も収められています。そちらは英語で歌ってはいますが、演奏も歌も日本人です。一緒にその頃の映画主題歌なども収められています。けれども写真だけは本物のビートルズだし、007を演じるショーン・コネリーだったりします。
こうした録音を残した演奏者や歌手も、おそらく当時としてはかなり冒険的人生を送っている一団だったのではないでしょうか? またこうしたアイテムの存在は、世界的に見ても、もしかしたら珍しいのではないかと想像します。
それでも海の向こうからやってくる音楽や、ポップスターや映画スターにあこがれた人々のパワーをひしひしと感じることは確かです。作り手も受け手も、きっと情熱を注いだのだろうか、と想像します。
最後に、再び中の記事を一部ご紹介して本日のレコメンドを終わります。当時コニーという歌手がどういうステータスとして捉えられていたのかが伺われます。
−−−−−−−−−−−−−−−−−
【コニーのレコード案内】
いま一番人気のある女性シンガーは?ときかれてまず名を挙げられるのがコニー・フランシス。
(中略)
ここでごく新しい六十三年四月のLP、愛さずにはいられない(SY五○八三、SL五○九七)を紹介しておこう。
(中略)
バラードものの美しさ、ロックものの歯切れのよさなど、コニーの魅力のかずかずがこの一枚に収められておりさすがロックの女王としての貫禄十分で、A面B面をたてつづけに全部きいても、あきないものをそなえているといえる。
−−−−−−−−−−−−−−−−−