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MAL Antenna - recommuni version2004/12 | ||||||
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マンダラバンドの成り立ちは結構珍しい。
1975年にファーストアルバム「マンダラバンド」(邦題:「曼陀羅組曲」)を発表したマンダラバンドは、デヴッド・ロールが作曲した「Om Mani Padme Hum」(曼陀羅組曲)という曲を演奏するために結成されたグループである。「Om Mani Padme Hum」はチベットの経文に出てくる言葉で、歌詞は1950年の中国によるチベット侵攻をテーマにしたものだそうで、チベット語で歌われているらしい。マンダラバンド自体はイギリスのグループである。
曼陀羅をあしらったジャケットが日本では受けたのか、このレコードは国内盤も出ていたし、FMでも割とよく掛かっていた。20分を超える曲にしては結構ポピュラーな存在で、中高生の間でも名前だけはよく知られていた(そういう友達が、少なくとも私の周辺には多かったのだ(笑))。
実際、レコードのA面を占める「Om Mani Padme Hum」の出来は素晴らしい。なんというか、澄み切った青空と白い雲の間を自分がグライダーになってひゅんひゅん飛び回っているかのような爽快感があるのだ。壮大で、勇壮で、高揚感と疾走感がある。冴えきった高音が美しいギターの旋律、男女混成のコーラス、そしてストリングス、伸びやかでありつつも厳かなトーンを含んだ男性メインボーカル、これらが一体となって4楽章構成になった20分のドラマを一気に聴かせてくれる。
いわゆるプログレと呼ばれるジャンルに分類されているが、その後生まれた、単に交響楽的なドラマティックさだけが取り柄の"シンフォニック・ロック"とは一線を画する傑作。普段プログレを聴かない方や、プログレって何?、という方にもお勧めしたい。
マンダラバンドはその後、1978年に2ndアルバム「The Eye Of Wendor」(邦題:「魔石ウェンダーの伝説」)を発表している。なんと10ccの4人、バークレー・ジェームス・ハーベストのメンバー、マディ・プライアなど物凄いゲストメンバーによる作品。続編が作られるはずだったが、遂にこの作品の続きは世に出ることがなかった。