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おそらく、レコミュニに参加しているような方だったら必ずや何か感じるところがあるだろうと思える本が出た。
おたくの本懐—「集める」ことの叡智と冒険
ちくま文庫 長山 靖生 (著)
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1992年に「コレクターシップ」という書名で出た本の文庫化で。改題され一部加筆されている。
読了後即座に思ったのは、内容から書名を考えてみれば、元々のタイトルである「コレクターシップ」が最適であるということだった。文庫化に当たりマーケティングの観点から改題されたのだと推測されるが、「おたくの本懐」では少々内容とのずれがあり、誤解されるのではないだろうか。
様々な分野のコレクターを紹介しながら、「ものを集めるとはどういうことか?」「コレクターとしてどうあるべきか?」という考察が進めていく。古書、美術品、博物標本などのコレクターが主に取り上げられているが、残念ながらレコードコレクターは登場しない。著者自身が古書コレクターであることも、対象分野が限られている理由だろうか。ただしどのジャンルにおいても、全ては「コレクションすることの意義」をアピールする内容へと繋がっていく。
直接の記述は書中にはないが、「集める」「自分なりに分類する」「セレクションを作る」という行動は、手持ちの音源でオリジナルテープを作る作業そのものだということに気づいた。またはレコミュニで「誰のどの曲をレコメンドするか?」と考えることも同じ活動だと言える。
狭い意味でのおたく擁護論だが、実際には本書の内容はもっとずっと普遍的である。どんなものであっても、何かしら捨てられずに集めているものがあったり、入手出来ずにいるものを探していたりする人ならきっと多くの示唆を得られる本だと思う。出たばかりの文庫なので、もし見かけたら是非ご一読をお勧めしたい。
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