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recommuni四方山話前回、大瀧詠一さんの「歌と声」についての“学説”を紹介したが、それを書きながらそう言えばと、思い出したことがある。
昔の話である。音楽ディレクターとしてはじめて主体的に関わったのが山下久美子さんだ。大先輩の木崎さんがプロデューサーでいろいろ教えられながらだったが、ともかく、久美子さんもデビュー、作詞の康珍化(かんちんふぁ)氏、作曲の亀井登志夫氏も初のプロ仕事、というチームだったから、みんな若いし、はりきっていて、すごく楽しかったし、いっしょうけんめいだった。
以後敬称略。
久美子はアマチュアでライブハウスなどで歌っていた。渡辺プロダクションと契約し、東京に出てきてからもライブをやっていたから、「歌える」人だと思っていたが、いよいよボーカルの録音になると、意外に苦労した。ライブで歌っていたことが、歌い方に妙なクセをつけていた。どうも口先で歌っている感じで、こじんまりとまとまってしまう。伝わってくるものがない。
ジャズとかブラック・ミュージックを歌っていた人が、「おーとーこーなんてシャボン玉ー」(「バスルームから愛をこめて」)なんて歌うことに抵抗があったのかもしれないが、ボクも新米だから、どうすれば打開できるのかまったくわからない。木崎さんに相談したかどうか忘れてしまったのだが、ともかく「声を出す」ことだけに集中したほうがよいと思い、うまく歌おうとか、詞の意味とか、リズムやピッチも気にしないで、そう、「童謡を歌うように大きく口を開けて歌って」と頼んだ。
久美子はプライドが傷ついたかもしれない。歌が好きで、スカウトされ、それなりに自信もあってこれまでやってきたはずだ。今さら「子供が童謡を歌うように」などと言われたのだから。
でも、彼女はそれで開き直ったというか、ふっきれたのだろう。結果的にはそれを機会に、歌が全然変わった。見違えるように、歌に説得力が増していった。
「歌は声、声は作るもの」というのが大瀧詠一説。ボーカル録音の一週間くらいの間に歌がいきなりうまくなるわけはないだろうが、声の出し方が変わっただけで全然歌が違うものになったのだ。大滝説の正しさを裏づける話ではないだろうか?
こうして録音することができた歌が、デビュー曲の「バスルームから愛をこめて」である。今聴いてもすごくいい歌唱だと思う。
http://recommuni
ボクと山下久美子のタッグは5年間、アルバム7枚で終了するが、それから10年後くらいに、あるクリスマス・パーティで出会った。彼女の声はまた変化していて、低音がしっかりとして、力強さが倍増していた。成長し続けてるなと感心した。その声で、彼女はそのとき、やはり「バスルーム」を歌ってくれた。
2005.05.01
福岡智彦
イントロがめちゃスリリングです。
そして、エレキギターの音、フレーズがしびれます。ひさびさにこんなかっこいいリフ聴いたなー。
これが第一作とは、なんとなんと…。
目下recommuni内、ボクの一押し!
コメント
つーか、不勉強ですね。へへ。
素直に歌う人が好きです。