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MAL Antenna - recommuni version2004/11 | ||||||
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ブリティッシュ異色フォークグループのコウマスは、Dawnレーベルに1枚、Virginレーベルに1枚のアルバムを残して、その後消息不明です。どちらもブリティッシュ・ロック、フォークの傑作として知られています。
1970年にリリースされた1stアルバム「First Utterance」(邦題:「魂の叫び」)は一部では"神経症ロック"との異名で呼ばれる、かなり独特な音楽でした。ブリティッシュ・ロック界でも似たものがない、緊迫感と狂気じみた激情のフォークロックです。こちらはブート再発も含め、何度も再発されて来ています。その後72年にグループは一度解散してしまいます。
73年に再結成されたコウマスは、Virginレーベルから2ndアルバムをリリースしました。それが今回ご紹介する「To Kepp From Crying」です。こちらは1stに較べるとずっとポップで耳あたりが良くなっています。楽曲はバラエティに富み、結果的には神経質でありつつリラックスもした、宝石箱をひっくり返したような極上のポップアルバムとなったのでした。
1曲として捨て曲が無く、途中に挟まれる音響作品のようなインストルメンタルも含めて、冒頭から終わりまで、全体が見事にまとめられたレコードです。ですので1曲を切り出すのは難しいのですが、美しさと叙情性と危うさが程良くバランスした「Children Of The Universe」をまずは聴いてみて下さい。
ボーカルのロジャー・ウットンは、ややしわがれた声質ながら、男性としてはかなり高い声を持っています。女性ボーカルのボビー・ワトソンは、ちょっとケイト・ブッシュを思わせる感じのやはり高い声。この男女2人が、高音部低音部を時に入れ替わりながら聴かせてくれるハーモニーは素晴らしく、きらめく星空のようでありつつも同時に夢、時に悪夢を連想させる不思議な雰囲気を作り上げています。
もうこのレコードを入手してから20年あまりが経ちました。ずっと折に触れ聴き返していますが未だに飽きるということがありません。全てが見事で、控えめでありながら個性的。傑作です。
日本では80年にLPで、80年代末にCD化されたことがあります。それ以外世界中どこからも再発されていないため、入手困難になってしまっています。イギリスのロック、プログレ、ポップ、フォークが好きな方ならぜひ聴いていただきたい1枚です。
許諾が下りたらすぐに全曲アップしたいところですが、1分あまりの音響みたいな曲だけ単独で買っても意味無いですね(笑)。アルバム単位の購入機能が切実に欲しいレコードです。
2005.06.28 追記
英キャッスルより「Song to Comus」という2枚組が発売されました。
http://www
これは1stアルバム「First Utterance」(1971) 、2ndアルバム「To Keep From Crying」(1974)に加え、シングル曲も収録したComusの音源コンプリート盤です。